目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

ガオー牙王

イッキュウ

[イッキュウ]

キャラID
: MO364-367
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 占い師
レベル
: 57

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}{{ optionalYear }}
    {{ entryTitle }}  {{ charaName }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}
    {{ charaName }}

イッキュウの冒険日誌

2025-05-04 10:28:40.0 テーマ:その他

光を継ぐ者達 第一章 光の戦士 第四話 旅立ち

第四話 旅立ち

朝が来ることなど、もうないのではないかと思った。だが、世界は無情にも、いつもと変わらず陽を昇らせる。

リクは、ベッドの傍に座っていた。
小さな手を握りしめ、ただ、祈っていた。

ベッドには、妹――ティナが静かに横たわっている。すでに手の施しようはないと、セリアは告げていた。
「……ティナ、目を開けてくれよ……」

返事はない。
細い肩がかすかに上下し、苦しげに呼吸を繰り返すばかりだった。

セリアは少し離れた場所で、そっと見守っていた。
この兄妹の静かな時間を壊さぬよう、そっと目を閉じ、祈りを捧げる。

そして――

「……リク、にいちゃん……」

かすかな声が、空気を震わせた。

リクははっとして顔を上げる。

「ティナ!? しっかりしろ! 今、薬草を――!」

「……だいじょうぶ……もう、わかってるの……」

ティナは、か細い指で兄の手を優しく包み込む。

「……おにいちゃんがね、光に包まれて、魔物をやっつける夢……ほんとうになったんだね……」

「ティナ……」

「……こわかったけど……でも、うれしかった……おにいちゃんが、誰かを……守ったの……」

「僕は……ティナを守れなかった……!」


「……守ってくれたよ……いちばん、そばにいてくれたもん……」


リクは唇を強く噛みしめ、こらえていた涙をこぼす。その雫が、ティナの小さな手に、静かに落ちた。

「……行って……」

「……え?」

「……たくさんの人が、まだこわい思いをしてる……おにいちゃん……行って、あの斧で……守ってあげて……」

「……僕が?」


「うん……だって、おにいちゃんは……“光の戦士”だから……」


ティナは、微笑みながら目を閉じる。
その表情は、安らかな夢に包まれているかのようだった。

リクは何も言えず、ただ、妹の手を握りしめていた。


***



その夜、静かに葬儀が行われた。
村人たちはティナの安らかな旅立ちに祈りを捧げ、声を殺して涙を流した。

火葬の煙が空へ昇る頃、リクは一人、崩れた祭壇の前に立っていた。
その手には、金色の刃を宿す斧が静かに揺れている。
セリアがそっと背後に立つ。

「……決めたのね」

リクは頷いた。

「……僕は、もう逃げない。
守れなかった後悔を、二度と繰り返さない。
この斧で……魔物を倒して、みんなを守る」

セリアは、その瞳をまっすぐに見返した。

「……なら、私はあなたの盾になるわ。
あなたが立ち止まりそうになった時、私は必ず、あなたの背を守る」

リクは、そっと斧を背負い、セリアの手を取った。

「ありがとう、セリア」

「こちらこそ……リク、“閃光の斧”の後継者」

風が吹き抜ける。
夜明けの光が、静かに空を染めてゆく。

こうして、リクの旅が始まった。

運命の歯車が音を立てて回り始める――その、ほんの少し手前で。

第一章 光の戦士 完
いいね! 78 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる