ここは辺境の地。
地名すら、知られないような場末の大地だ。
私は元々は貴族の家に生まれ、伯爵の地位にあったが、ここではただの騎士。
当主である我が父とのいざこざに耐えかねて、家出同様に旅立ったのはもう遥か昔の事のようだ。
私は偉そうな地位を掲げて歩くのは好かぬ故に、今のこの暮らしが合っている。
我が血筋は男子は幼き頃より、剣術を学び育つ。私もまた例外ではなく、そうして来た。
この地に暮らす今もここを守る騎士としてやっていけるのは、真面目に剣の修行をして来た賜物である。

私の右手の蝶の飾りは、旅の途中に事故に遭い絶命しかけた際に助けて下さった、命の恩人より譲られたものだ。
赤と黒の美しさに惹かれ、ずっと身につけている。その事から私はこの地の人々より
「Butterfly」
と呼ばれるようになった。

家柄や様々なしがらみに囚われずに自由に。
蝶の如く……舞う
まさに、今の私の姿を表している呼び名だ。

……悪くないなと思っている。

+.舞い散る蝶は儚く月光を求め
求めた月光の先の水を身に纏い、
再び彷徨い水を求め羽ばたく+.
私の生きる旅路も舞い散る蝶と等しく
我が求めるがまま、歩いて行こう。
蝶の如く。
「Butterfly」
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#会心の氷風
#艶ディ
#jillstyle
X:@CreaJill_DQX
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