戦闘中の、無言の意思疎通が好き。
無言の意思疎通。
例えば開幕、ふたりが風切りをしようとしてふたりとも同時にキャンセルしたあの瞬間、どちらが風切りをするか、そこには無言の会話がある。
その意思疎通を最初に強く意識したのは僧侶2の構成だった。
今は昔、ピラミッド8層で流行っていた、魔法2僧侶2という構成。
僧侶2の何がおもしろいって、味方に作用する呪文や特技が多いから、必然的に意思疎通をする必要がある、ということ。
『蘇生するね』『じゃあ聖女をかける』『もうひとり蘇生する』『じゃあベホマラーする』みたいな、相手の行動を見て、どうしたがっているか、どうして欲しいと思っているかを考えながら動いている。
相手の意志を感じるとき、一緒に戦っている気持ちが強くなる。
わかり合っている、感じがする。
もしかしたらそんな会話は全部誤解なのかもしれない。
単にこちらの出方を見て事務的に動いているだけかもしれないし、相手は会話のように思ってはいないかもしれない。
でもそれは、言葉を使っていたとしてもつきまとう永遠の不安なので(心に留めはしつつも)気にしないことにしている。
8人だと忙しくてそれどころではない気がするし、今や4人パーティーで僧侶2という構成も見かけることはなくなったけど、無言の会話を感じる場面は今でもたくさんある。
戦いの中で会話する、これもきっと冒険者の醍醐味。
モデル協力:リリィさん