この文章は、『風物詩アフロの集い』というプレイヤーイベントのフレイバーストーリーです。文字数が入らなかったので! ここに書きます!
イベントについてはこっちを見てね!
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https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/158600746010/view/8151963/
『
ウィレンは走っていた。走り続けていた。おとといも走ったし、昨日も走った。たぶん明日も走るのだろう。どんな部活でも走ることは大切だよ、と言われ、確かにそうですね、と頷いたのがまずかった。入部して一ヶ月。部活の時間はずっと走っている。転校前のサッカー部でも走っていたから、まずは走ろう! と言われても疑問に思わなかった。だけど思うはずもない。ずっと走っているのに、一ヶ月以上走っているのに、まだこの部が何の部活か教えてもらえないなんて……。
エイリラ先輩が可愛いのが良くなかった。いや、エイリラ先輩の可愛い勧誘に、あっさり乗ってしまった自分が悪いのだ。人は普通、何の部活か聞きもしないで入部なんてしないものだ。たとえ、上目遣いに小首をかしげ、袖口をつまみながら「君が入ってくれたら、楽しい部になると思うんだけど……ダメ、かな……?」と言われたってイエスと言ってはいけないのだ。
……あざとい! くそぅ可愛い……! 可愛かった! ……いやわかっているわかってるんだ先輩は、俺みたいにチョロいやつを勧誘して部員を増やしたいだけだって。決してエイリラ先輩と、絵に描いたようなアオハル部活ライフが始まるなんて期待しすぎだって。でもだからって、だからといって、何部か教えてもらえないとかある? 両手を握ってぐっとがんばるポーズをするエイリラ先輩(可愛い!)に「うーん、わたしもまだうまく説明できないから、そのうち教えたげるね、がんばるねっ!」って言われてなんで引き下がったんだあの時の俺! 「あ、はい、俺待ってますね」じゃないんだよぉお! なんかちょっとデートの待ち合わせっぽいとか思ってんじゃないよ! お前は! それから! 一ヶ月走らされ続けるんだからな!
息が切れてきた。走らされてると言っても走った距離を自己申告でノートに書くだけだし、適当にサボったっていいんだろうから、今日はもうこの辺で止めるか……。
とか思ってたらピンクのアフロの女子と一緒に歩いているあれはエイリラ先輩のご友人。ちょっと話したことがある。
「うっす!」
「お、えーとウィレンくんだっけ」
「っす!」
「君すごいんだってねぇ。むちゃくちゃ走ってるんだって? エイリラが気に入るのもわかるわぁ」
エイリラ先輩に気に入られてる!? と思ったのはいいんだけど(やったぜ!)、その喜びを顔に出す前に隣のピンクのアフロ女子が「ちょ、ちょっとマリセア、内緒って言ったじゃん!」と言ったので俺の頭は三秒止まる。六秒だったかもしれない。
「エ、エイリラ先輩!? どういうことですか!?」
ピンクのアフロ女子は、確かにエイリラ先輩なのだった。なんでアフロに!?
「どういうことって……お、お気に入りってあれだよ後輩としてってことだからね! 変な意味はないっていうか、いやそりゃ全然ないかって言われるとちょっとは……って何言ってるんだろわたし」
そっちじゃなーい! なーいけど、可愛い、アフロでも可愛い……いやむしろアフロだからこそ……? そんな俺の気持ちを知ってか知らずかアフロせんp、じゃなかったエイリラ先輩は俺の手を両手で挟むように握って、
「それでさウィレンくん。そろそろアフロにしてくれる気になった……? 走るのが得意なのはすごいと思うけど、そんなんじゃいつか倒れちゃうよぉ……。意地張ってないで、アフロに、しよ? ね?」
意味が、意味がわからーん!(らーん!) 俺って意地張ってアフロにしないって設定だったの!? って叫ぶ前にエイリラ先輩が涙声で「じゃないとわたし、わたし……」って言って抱きついてきて、さすがの俺も、あ、この人やべー人なのではって思ったけどちらっと見たご友人が「人の美しさを見た、青春万歳」みたいな顔で涙を流しながらうんうんと頷いていて、もしかして、変なのは、俺の方……?
「アフロに、してくれる……?(上目遣い)」
何かを、ぐっと飲み込んで。
「……します。俺、アフロにします!」
うわーん、と泣きながらぎゅっと抱きついてくるエイリラ先輩、小さく拍手するご友人。絶対そんな場面じゃないのに何だか俺も、感動してきてしまった……。多分、俺が間違ってたのだ。何を間違えてたかは、よくわからないけどきっとそうなんだ。アフロ、万歳。アフロ部(多分)万歳……!
』