【前回・前々回までのあらすじ】
ヒューザが持ってきた「フィーヤ孤児院での同窓会のお知らせ」にレーン君が反応し、レーンの村までやって来た僕とレーン君。知らない人と”レーン君の振り”をしながら話すのに僕が戸惑いながらも、孤児院の院長先生には死んだレーン君が見えているみたいで?
孤児院の院長先生に「しょうがないヤツじゃのう」と言われながらも呼ばれ、奥の部屋へと消えたレーン君。
どうしよう?僕、1人きりになっちゃった!!
これじゃ誰かに話しかけられたら、キチンと返事ができる自信がないよ(T_T)
そんな風に思いながらも、どうにか小皿を持って会場に戻りました。
「最近、ウチの店で新しいお酒を入れたんだけどさあ」
「1本60万ゴールドもするの?お客さんにボトルで入れてもらったら良い稼ぎになるし、ウチの店にも何本か分けてよ」
さっきの2人が、仲良さそうに話しているのが聞こえます。たぶんお仕事の話かな?
「しっかし、ホントみんなよく食うよな」
お皿を渡したら、ヒューザがそんなことを呟きました。近くを見ると、空いたお皿の山ができています。
「片付けてこようか?」
「後でみんなでやればいいだろ」
そんな話をしているうちに、ふと僕の頭に名案が浮かびました。
空いたお皿を片付けて、孤児院の台所に籠もっていればいいんだ!
そうすれば誰とも顔を合わせないで済むし、その場にいなくても別に不自然じゃないよね??
「僕が片付けてくるからいいよ。ヒューザはみんなと話してて」
「あっ。おい!」
静止されるのも聞かず、僕は汚れた食器を抱えて孤児院の台所へ。
院長先生なら僕とレーン君のこと分かっているし、ここなら安心できそう。
そんな風に思いながら食器を洗っていると、ヒューザが追いかけてきました。
「たまにしか会えないんだから、今はちゃんとみんなと話してろよ」
そんなこと言われてもなあ・・・。
何と返事をしたものか迷っていると、奥の部屋から院長先生とレーン君の楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
「じいさん?誰と話しているんだ?」
ヒューザは何だか怪訝な表情を浮かべています。
やがて、
「そういうことなら安心じゃな。また、いつでも来なさい」
という声と共に、院長先生がドアを開けるのが見えました。
『あれっ。ヒューザ、どうしたの?』
院長先生と話しているうちに”生きていた時の感覚”に戻ってしまったのか、レーン君はごく当たり前のような顔で声を上げました。
「どうかした?」
たぶん見えてないんじゃないかなー?と思いながらその場で佇んでいるヒューザの方を見ると、小さく息を呑むのが聞こえました。そしてほんの数回、僕とレーン君を見比べたかと思うと、
「悪い!!」
と叫んで持っていた食器をすべて僕に押し付け、レーン君の方に向かってもの凄い勢いで駆け寄っていきました。
この瞬間、僕が悟ったこと。
たぶん僕が今日ここに来て、やるべきだった事はもう完全に終わってしまった。そしてもう、僕の出番は必要がない。
僕は洗っていた食器をその場に置くと、帰宅することにしました。
外に出てルーラストーンを使うちょうど良い場所を探していると、いつの間にか3人も出てきたみたい。周りのざわつく声が聞こえてきました。
ちゃんとみんなに会えたみたいだけど、レーン君はこれで良かったのかな?
「じゃあね」
誰に言うともなく口にすると、僕はそのまま自宅まで飛んでいきました。
※後日談に続きます。。。
動画サイトに自作の歌を投稿しています。
ドラクエ10がキッカケで生まれた曲が3つあるので、紹介します。
♪海に消えた祈り♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=X9NhGuDBcFw
去年pixivに書いたウェディの二次創作小説をテーマにしています。ヒューザがレーン君を死なせたことに気づいたら、こう思うのでは?という感じの内容です。右で踊っているお兄さまにイラストを描いていただいてます。
♪Don't have to Worry♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=ZGqbBRKjufM
昔、加入していたチームのサブリーダーさんがモデルです。
ご本人が「元うつ病」と言ってたのですが、「辛いことはあるけど、生きていけるよ」といった感じのことをテーマにしています。
♪AM00:00~RAGE~♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=cJ-gZb45dko
オンラインゲーム上で「13歳の女の子と、34歳の男性が付き合っている」というテーマの曲です。
自分が16歳年下の相手と、そしてあるフレンドさんが18歳年下の女の子と(ゲーム内で)付き合っていた話がキッカケで生まれました。