6月に書いたものですが、こちらに投下。
もう似たようなエピソードばっかだし、いい加減読んだ人が飽きるだろ・・・?と思って放置してましたが、何も考えずに投下することにします。数えたら2千文字超えちゃったので、2回ぐらいに分けていきます。
「・・・・助けて」
無意識のうちに伸ばした僕の手を、ヒューザは無言で握りしめた。
止血しようとしているのだろう。カバンに入っていたタオルを取り出すと、右の肩口から左脇腹にかけて走っている傷口にぐっと押し付ける。
でも、薄い黄色だったはずのタオルが真っ赤に染まっただけで、一向に血が止まる気配はなかった。
「大丈夫だからな。今、ルベカが助けを呼びに行っているから。心配ないからな」
僕は仰向けに寝かされたまま、傷口を押さえているヒューザを見上げる。目が合ったかと思うと、ひどく優しい声音で囁かれた。自分に言い聞かせているようにも聞こえる。
「大丈夫だから」
頭がくらくらし始めた。足が、そして手の指先が、冷えて痛い。
「助けて・・・・助けて・・・・」
襲ってきた強い不安感に、言葉が口をついて出る。
突然何かが喉にぐっと詰まる感覚がして、僕は反射的に咳き込んだ。鉄の味をした温かく粘りけのある何かが、口からあふれ出す。
「おいっ!」
血の塊を吐き出した僕の様子に、ヒューザが慌てた声を上げる。
「何でだよ。何で血が止まらないんだよ?」
泣いているような、悲鳴じみた呟きが聞こえる。
再び何かが喉に詰まる感覚がしたけど、もう咳き込む力も湧いてこない。何かに肺を圧迫されているような感覚があり、ひどく息苦しい。目を閉じると、僕の名前を何度も絶叫するのが聞こえた。
どうして、こんな事になってしまったんだろう?
次で終わるかなあ?
なにせ文字数が・・・。
その2に続きます。