※ウェディが出てくる二次創作です。
※同人、二次創作という言葉の意味がわからない方、嫌悪される方は閲覧をご遠慮ください。
※ネタバレ、またはエロい表現は一切ありませんので、どなたでも安心してお読みいただけます。
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遠慮がちに肩をつつかれるのを感じて、ヒューザは目を覚ました。
眠い目をこすると、枕を抱えた見慣れた人物が目の前に立っている。
「・・・・・またか」
何となくだが、ある程度予感はしていたのだ。たぶん今夜は彼が訪ねてくるのではないか?と。
「また恐い夢、見ちゃって」
潤んだ目をしていた彼が、おずおずした様子で話しかけてくる。
「しょうがねえな、ほら来いよ」
そのとたん彼はぱっと顔を輝かせ、小さな歓声を上げながらベッドに入ってくる。
「ありがと。一緒に寝るとあったかいね!」
頬ずりしながらしがみつかれるのも、頼られているような感覚があって悪い気はしなかった。
彼が孤児院に来てから、もうどれぐらいになるだろう?
あの日、明け方にボートの中で倒れていた姿を思い出す。鳥にでも襲われたのか傷だらけで脱水症状に近い状態になっていたが、何日も海をさまよった割にはそこまで衰弱していなかったらしい。
最初の頃は、なぜか持っていたルーラストーンで、彼は何度も何度も海の真ん中に飛んでしまっていた。その度に大人たちの誰かが沖まで船出して連れ戻しに行ったり、ヒューザ自身もアーシクと2人でボートに乗って迎えに行ったものだった。
「だってお父さんが言ってたんだもん!この石を空に掲げれば、お父さんが生まれた島に行けるって。だからそこに行って、おばあちゃんたちに会うんだ」
後になって分かったのは、彼の父が石に記憶させていた島はもう何年も前に火山の噴火で海の底に沈んでしまっていたこと。それを知らずに何度も島に行こうとしたため、何もない海上に飛んでしまっていたという事実であった。しかし何度説明しても彼が納得しないので、ある日を境に院長がルーラストーンを取り上げ、院長室のタンスにしまい込んでしまった。
「それ、僕のだよ。何で取っちゃうの?バルチャじい、ひどい」
「大人になって”一人前の証”がもらえるようになったら、返してやる」
泣きじゃくる彼に告げられたのは、その一言であった。
それ以来、彼が行方をくらますことはなく、穏やかな日々が続いている。しかし、その代わりに「おばあちゃんや両親にはもう会えないのかもしれない」と絶望したのか、彼はよく1人で隠れて泣くようになってしまった。他の子どもたちを慰めてきたのと同様に、ヒューザも見つけ次第声をかけるようにしてきたが。
(まあ、それでこうやって甘えてくるようになってきたんだよな)
すぐ横から聞こえてきた寝息に気付き、視線を向けるとさっきまで涙ぐんでいた彼が穏やかな表情を浮かべて眠っていた。
「世話の焼けるやつだな」
ヒューザは1人呟くと彼の頭を撫で、再び目を閉じた。
以前pixivに二次創作を投稿したのですが冗談でアンケートを設置したところ、
・子どもの頃のネタ 4票
・エロ!18禁 2票
・ホモォ・・・ 1票
というリクエスト結果に!”子どもの頃のネタ”はともかく、エロとかホモとか入れたの誰だ!?
そんなわけで、「小さいスムラがルーラストーンを持って、海の真ん中に飛ぶ話」を書こうと思っているので、その準備のような感じで書いてみました。
子どもの頃の話って、資料がほとんどないから短い・・・(´;ω;`)ウッ…