※同人、二次創作という言葉の意味がわからない方、嫌悪される方は閲覧をご遠慮ください。
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お前が求めた時はいつだって、何度だって応じてやったのに、こっちが呼ぶ番になると全く相手にしてくれないんだな。こんなに求めているのに、会いに来てくれないなんてひどい奴だ。
左手で胸を抑え、息を切らしながらヒューザは心の中で呟いた。誰もいない部屋に、自分の心臓の音が嫌と言うほどうるさく響く。
こんな風に、夜中に飛び起きるのはこれで何度目だろうか?悪夢を見て、うなされた後は決まって、動悸と息切れで起こされる。そして、声こそ発しないものの、気が付くと幼い子どものように泣いているのだ。
何度も繰り返し見る、あの日の夢。彼が死んだ、あの朝の記憶。
真剣を使った訓練は、どちらが言い出したのかもう覚えていない。言い出したのが彼だったとしたら、断っていれば運命は変わっていたのだろうか?もし時間を戻すことができたら、やり直すことができたら、今のようなことにはならなかっただろうか?
「怖い夢、見ちゃった。眠れないの」
窓辺から空を見上げると、そう言ってしょっちゅう訪ねてきた彼を思い出す。確かちょうど、いつも今ぐらいの時間だった。頼られるのは悪い気がしなかったし、誰かが傍にいることで安心して眠れたので、いつしか彼の訪問を心待ちにしていたのを覚えている。
「ありがとう!ヒューザが怖くて眠れなくなったら、僕も一緒に寝てあげるね」
いつだったか、何度目かの夜、彼はこんなことを口にしていた。その時は何を言っているんだと思いつつ、
「ああ」
とだけ、ぶっきらぼうに返したことを思い出す。
あれからもう、どれぐらい経ったのだろう。
血と砂にまみれて、苦痛に歪んでいた顔。弱々しく助けを求める声。冷たくなった頬。息を吹き返し、ボートの中で浮かべたぼんやりとした表情。鏡を手にした院長が映し出した真実。今はもう、すっかり別人になってしまった彼。
故郷の村を出た後も何度か彼に会ったが、その度に違和感が強くなった。
「お前は一体誰なんだ?」
胸倉を掴んで問い詰めたい衝動に、何度も駆られた。しかし、それを尋ねる事は”彼がもうこの世にいないこと”を確認することと同じだったから、決して口にすることができなかった。次に会ったら、元の彼に戻っているのではないか?そんな淡い期待をしては、何度も何度も無残に打ち砕かれた。
「ねえ、どうして泣いているの?」
「お前があの時、よそ見をして死んだからだよ。この間抜け」
何事もなかったように彼が訪ねてきたら、きっとこんな会話をしていただろうと思う。しかし、それは永久に実現することはない。
「ただいま」
久しぶりに孤児院に帰省したら、バルチャは何も言わずアルバムを持ってきてくれた。写真の中でほほ笑んでいるのは、紛れもなくよく知った幼馴染の姿だった。
やっぱり今のあいつとは重ならないな、と思いながらページをめくっていると、
「懐かしいじゃろ?何枚か持っていくと良い。古い写真を捨てようと思って整理していたところじゃから」
という声が降って来た。
会いたい。幽霊でも、どんな形でも良い。また会えたら・・・・。
闇に向かって、何度も何度もヒューザは呼び続ける。しかし、彼が帰ってくることはない。決して叶うことのない思いを抱いたまま、海辺の夜は更けていく。
ライティングの練習を兼ねています。
開始時間:7時30分
終了:8時15分
二次創作のお好きな方、ご自身でも書かれる方いたらフレンドになってください。コメントいただけたら申請飛ばします。
動画サイトに自作の歌を投稿しています。
ドラクエ10がキッカケで生まれた曲が3つあるので、紹介します。
♪海に消えた祈り♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=X9NhGuDBcFw
♪男声バージョン♪
→https://www.youtube.com/watch?v=J6VGjGbm3KY
知り合いの男性に歌っていただきました。
♪Don't have to Worry♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=ZGqbBRKjufM
コーラス付きバージョン
→https://www.youtube.com/watch?v=46OIaxWQzeg
昔、加入していたチームのサブリーダーさんがモデル。
♪AM00:00~RAGE~♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=cJ-gZb45dko
オンラインゲーム上で「13歳の中学生女の子と、34歳の社会人男性が付き合っている」というテーマの曲です。