「お正月過ぎちゃったけど、久しぶりに実家に帰りたいな~。明日は僕、休んでもいい?」
いつものように日替わり討伐が終わると、ダヌモ君がぽつりと口にしました。
今は僕と一緒にオルフェアに住んでいるのだけど、ダヌモ君の故郷はレーナム緑野。確かに言われてみると、我が家に来てから一度も帰省していません。
「別に構わないよ。久しぶりにゆっくりしてきたら?」
「うん!」
そんなわけで、ダヌモ君はすぐさま実家に向かって出発。
ところが・・・・・。
「あれ?ずいぶん早かったね。もう帰省は終わったの?」
わずか数時間でダヌモ君は帰宅。なんだか泣き出しそうな顔をしています。
「違う。なんかやたらと強いやつらがいて、通れなかったの」
「強いやつら?スライムで?」
「うん・・・・」
なんでもレーナム緑野だけじゃなく他の初期エリアでも、やたらと強かったりすばしっこかったりするスライムたちが集まって、縄張りを拡大しているとのこと。だから通ろうとするとそのスライムの軍団がジャマをしてきて、帰るに帰れなかったと言うのです。
「変だなあ。スライムが急に強くなったなんて話、聞いた覚えがないんだけど」
カジノに行ったら、ようやくその理由が分かりました。
「いらっしゃいませ。スライムレースのご利用でしょうか?」
まさに今、話題沸騰中のスライムレース。せっかくの機会だし、僕もエントリーを・・・と思ったら、前回のスライムレースで育てた子がいなくなっていました。またイチから育てなおすんだって。
「『ぬゅ』っていうレモンカラーのスライム知らない?前回のレースで僕が育てた子なんだけど」
気になったので聞いてみたのですが、
「さあ。私はただの受付ですから、前にいたスライムたちがどうなったのかまではちょっと・・・」
と、言葉を濁されただけ。ぬゅはどこに行っちゃったのかな?また会えるかな?と思って楽しみにしていたんだけど。
やたらと強い・すばしっこいスライムのせいで、帰省ができなかったダヌモ君。しょうがないので、レーナム緑野まで僕が一緒に行くことにしました。他にもスライムがたくさんいるので分かりにくいかもしれませんが、右に立っているリボンを付けたスライムがダヌモ君です。
「うーん、確かにあいつら強そうだね。この辺にいないはずなのに、スライムナイトやバブルスライムにもさっき出会ったし」
「そうでしょ、そうでしょ。だから僕、『ここが俺らの縄張りって分かっててエサ取りに来たのか!?』ってぶん殴られそうになって逃げてきたよ」
少し進むと、十数匹のスライムたちが僕らを取り囲みました!
「えっ、何?戦う気?」
突然のことに目を白黒させていると、少し様子がおかしいことに気付きました。なんだかスライムたちの目が、キラキラと輝いているのです。まるでそう、飼い主にエサをもらえるのを待っているかのような、期待の眼差し。
「ねえ、こいつら前回のスライムレースに出たスライムなんじゃない?妙に友好的だもん。ほら、手から食べるしさぁ」
「ピキー!僕のおやつあげちゃダメ!」
持っていたお菓子を配ってあげると、スライムたちは満足したように去って行きました。
前回のスライムレースに出たスライムたちが、どんな運命を辿ったのかは分かりません。でも、「妙に強かったりすばしっこかったりするスライム」が増えていて、縄張りを拡大している。という背景を考えると、野生化したと考えるのが自然なんじゃないのかな?たぶん。
「ごめん、パパママ。うちのバカご主人のせいで、お土産がなくなっちゃったの」
バカご主人って・・・余計なこと言わなくていいのに"(-""-)"
顔にも言葉にも出さないけれど、僕はイライラしながらダヌモ君が両親と再会する姿を見守ったのでした。
動画サイトに自作の歌を投稿しています。
ドラクエ10がキッカケで生まれた曲が3つあるので、紹介します。
♪海に消えた祈り♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=X9NhGuDBcFw
♪男声バージョン♪
→https://www.youtube.com/watch?v=J6VGjGbm3KY
知り合いの男性に歌っていただきました。
♪Don't have to Worry♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=ZGqbBRKjufM
コーラス付きバージョン
→https://www.youtube.com/watch?v=46OIaxWQzeg
昔、加入していたチームのサブリーダーさんがモデル。
♪AM00:00~RAGE~♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=cJ-gZb45dko
オンラインゲーム上の恋愛をテーマにしています。