ついにやってしまいました。まさかの行き倒れ・・・。
同じ依頼を受けた人たちがいたからPTを組んで、討伐が終わったから「お疲れ様」と言って解散したばっかりだったのに。なんでなんで1人になった途端、モンスターが背後から襲いかかってくるの?そしてここはグレン領なのに、どうしてどうしてフォレスドンがいたの?
「もしもし、生きておられますか?」
もしかしてここで死ぬのかな?と思っていたら救いの手が!通りかかったウェディのお兄さんが、ベホイムをかけてくれました。
「自分の名前、言ってみて。あと年齢と、今履いている靴のサイズ。ここがどこだか分かる?今日は何月何日?」
これ、意識がハッキリしているかどうか、確認するための質問らしいですね。
ピンと来たので、
「大丈夫、正気だよ。助けてくれてありがとう」
と、一言で返しました。
翌日の早朝、再びお兄さんに会ったので改めてお礼を言いました。
「街に戻るまで気をつけなきゃダメだよ」
はい、ごもっともです・・・。
今日の日替わり討伐の内容を確認しようと思い、討伐隊員さんに近づこうとしたら何故か付いてくるお兄さん。なんだ、もしかして一緒にPTを組んでくれるのかな?
そんな期待をしていたら、予想外の言葉が飛んできました。
「実入りは良いかもしれないけど、日替わり討伐は危険だからやめた方がいいよ。俺のおじさんも昔は討伐で生計立てていたんだけど、年とってから無理がきかなくなって転職したし。アンタも死にたくなかったら、もっと安全な仕事に変えな」
「君は普段何をしている人なの?」
不思議に思ったので尋ねると、
「俺?この街のホストクラブで働いているの。モンスターとも戦えるけど、自衛の範囲だね。まあ、今度酒でも飲みに来てよ」
じゃあね、とお兄さんは手をひらひら振ってその場を立ち去りました。
「ってことがあったんだけどさあ。どう思う?」
帰宅するとヒューザがパンを持って来てくれたので、明け方の出来事を話してみました。なんでも朝食用に買ったものの1人では食べきれない量だったので、一緒に食べようと思って訪ねてきたのだそうです。
「あれ?なんで黙っているの?」
ヒューザは僕の話が終わっても、無言でノフルさんが淹れてくれたお茶や買ってきたパンを口に運び続けています。
「・・・・ハァ」
ようやく一息つくと、ヒューザはかつてないほど険しい顔つきをしていました。
「お前、転職した方がいいんじゃねーの?」
キッツイ一言。
「なんで?そりゃ昨日は1人で行ったよ。でも、それはダヌモやノバたちが【サーカスが見たい】って言うから連れて行って、夕方には疲れて寝ちゃったからなんだし。それに日替わり討伐は前からやっているし、慣れているから大丈夫だよ」
「死んだ後までアイツに痛い思いをさせたくない!!」
ガチャン、と割れるかと思うほど大きな音を立てて、ヒューザはティーカップをお皿に置きました。
「俺はアイツがどんな風に大人になって年を取っていくのか、お前を通して見るのが楽しみだったんだ。どう生きようが勝手だが、アイツの体に傷が付いて手や足がなくなったり、【立つことも見る事もできない人生】を送る姿なんか見たくない。俺はアイツが死んだ時、棺にやくそうの束を入れてやったんだ。ぼーっとしたやつだったから、あの世でドジ踏んで痛い思いしてほしくないと思って・・・。頼むから危ないことはやめてくれ」
「あ~あ。ご主人ヒューザを怒らせちゃった。次に会った時はちゃんと謝った方がいいよ」
ダヌモ君、そんなどや顔で言われても。元はと言えば、昨日は君たちが一緒に来てくれなかったのが原因じゃない。そこんとこも考えたうえで、物を言ってよ"(-""-)"
何となくモヤモヤしながら、僕は転職すべきかそうでないか、悩み始めました。
♪水の民ウェディに歌詞を付けて歌ってみた♪
➡https://m.youtube.com/watch?v=PltN2y04WnY
♪海に消えた祈り♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=X9NhGuDBcFw
♪男声バージョン♪
→https://www.youtube.com/watch?v=J6VGjGbm3KY
♪Don't have to Worry♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=ZGqbBRKjufM
コーラス付きバージョン
→https://www.youtube.com/watch?v=46OIaxWQzeg
♪AM00:00~RAGE~♪
⇒https://www.youtube.com/watch?v=cJ-gZb45dko