【ネタバレあり】
以下、クエスト『よみがえる王国』の結末ならびにメインクエ(Ver.2.2まで)などのネタバレが含まれますのでご注意ください。
ちなみにこちらは感想の後半になりますので気になる方はその1から見ることをオススメします。
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さて、クエスト中で魔勇者アンルシアが復活という形で登場しましたが、あくまでもオリジナルの魔勇者アンルシアがもしもの時に備えて用意しておいたセーブデータのようなものでした。どのタイミングでの魔勇者かは分かりませんが、テグラム失踪と同タイミングだと思います。当然ミシュア遭遇時より前で、その時点までの記憶しか恐らくないでしょう。
オリジナルの魔勇者が真の勇者であるアンルシアとその盟友に出会い、そして彼女たちの前に敗れ消滅し、死力を尽くしても偽の勇者は真の勇者となることは出来なかったという事。そして、オリジナルの魔勇者もついぞ知る機会はありませんでしたが、彼女の生まれた理由であり心底欲していた勇者の力も、既にマデサゴーラはトーマを有しているため間に合っていて、どう転んでも彼女が帰る場所はなく、悲願が達成されることもないという事を知らずに復活を遂げたと息巻いている彼女は、見ていてとても辛かったです。
ただ1人、何も知らない魔勇者だけの時間が止まっていて。なんだよこれは。ピエロかよ。やめてくれよ。悲しすぎるだろ。
そしてグランゼドーラの国民の誰も、魔勇者に理解を寄せる人がいなかったのが、どうしようもなく悲しかった。
外伝クエストクリア直後、誰か1人くらい、という気持ちで話を聞いて回ったけど誰もいなかった。
自分を生み出したマデサゴーラにも勝手に捨てられ放置されて、悲願が達成される事もなく、役割だったとはいえ自分を崇め守られてばかりいた国民にも背を向けられるとか、一体魔勇者が何をしたってんだよ。ただ魔勇者に生まれてしまっただけじゃないか。踏んだり蹴ったりだよ。
街の人たちは基本的に変わっていなかった。最終的に慕っていたテグラムから突き放された事で依存するのではなく自分達の力で未来を作っていこうという方向にシフトできただけであって、道を見失った時にヤケにならず自分から動けた人はとても少数だった。
モブキャラに何を期待しているんだという気持ちもありますが、自分の道を見失った時に自分の足で動けず、強い誰かに縋るしか出来ないのに、魔勇者の事を「もしアンルシアが再び現れても、また国を治めてもらおうとは思わない」なんて都合いいセリフ、よく言えたなと思ってしまいました。
たまたま魔勇者が魔勇者として先に生み出されたから、その役目を与えられなかっただけで、もしかしたら魔勇者アンルシアは自分だったかもしれなかったのに。
結局、作中で魔勇者であるアンルシアを少しでも理解して同情してくれたのが、彼女がなりたくてなりたくて止まなかった真の勇者姫のアンルシアというのが、どうしようもない皮肉であり唯一の救いだったと思うと、やるせない気持ちになります。
それを踏まえてVer.2.2の某イベントはとても良かったです。魔勇者であるアンルシアも、勇者姫のアンルシアにはないものを持っていて、それを勇者姫のアンルシアはしっかり理解してくれている。勇者姫たる自分を形作るものの中に、魔勇者がいて、そして少なくない影響を与えている事が、とても嬉しかったです。
もし魔勇者である彼女に理解者がもっと早く現れていたら。そして、道を正してくれる盟友とも呼べる者がいたら、彼女も暴走して国民を手に掛ける事もなく、こんなやるせない気持ちにもならなかったのではないかと。そういうIfの世界を、ついバレンタインイベントでの魔勇者とのやり取りから考えてしまいました。
彼女は絶望の中で消滅してしまったけれど、またいつかどこかで魔勇者アンルシアに会いたいと、そして願わくば共闘をしたいと思ってやまない今日この頃です。