※なりきりの一環です。苦手な方はここでお閉じ
下さい。
ようやく準備が整った。案外早く済んだので嬉しい。これで後は組み立てたあれを使えば、冥界へと旅立つことができる。長いようで短かった、いや、そこまで長くはなかったか。空っぽになった本体はサイトウに見ておいてもらうことにしよう。
目については流石のサイトウも怒っていた。そこまですることはあるのか、と。それでもやった私を見て、もう止めても無駄だと思ってくれたようだ。
頭に押し付けて引き金を引く。簡単なことだ。
しかし何故こんなにも指が重いのだろう。
いまさら怖気付いたか。そんなことで彼女を取り戻せるのか。ああ、自分はとんでもないことをしでかしていると分かった。いやそんなことはない。彼女を救うのだ。救うって何から?絶対的なものを迎えた者に
救うも何もありはせん。いいや、救う。自分の独り善がりな行動に正当性を感じるな。
ええいもういい。私は引き金を引いた。
パチン
余りにも情けない音を最後に、私の意識は途絶えた。