この日記帳は、カミハルムイのとある館で発見されたものである。記名等がされておらず、未だ持ち主が
発見されていない。
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ここのところは正に"夏"といった天気が続いていて、何とも気分が晴れやかだ。ただ、暑すぎるのが玉にキズである。秋の気温でこれくらい爽やかな天候になってくれないだろうか。ホントに。
あまりの暑さに我慢がならなくなった私は店内の装いを涼しげにした。何の解決にもならなかった。
なんなら急に内装が変わったことで混乱を招く結果となった。リゾートかきわりがいけなかったのだろうか…。
まあそれはさておき、今日は不思議な人物がここを訪れた。白いローブにフードを被り、首にはドクロか何かのエンブレムをネックレスとして掛けている女性であろう人物である。依頼人にこんなこと言うのは良くないと分かってはいるが、怪しさ満点である。
せめて話す時くらいはフードを取っても良いのではと思っていたが、その人物は終始素顔を見せなかった。
依頼の内容は「カミハルムイの外れにある廃館から、剣を持ち帰ってきてほしい」というものだった。
依頼人の格好からして久々のデスマスの仕事だと意気込んでいたのだが、便利屋の方だった。
いいよ。役にたてるもんね。拗ねてなんかない。
彼女が帰る際に玄関を出て見送りをしようと思ったら、なんと玄関先に色が黒いだけで全く同じの格好をした集団が集まっていた。彼女が一言「帰るぞ」と
言うと、黒い集団は一斉に彼女についていった。
小さい頃にこういう本を読んだ気がする。一匹だけ
色の違う魚が活躍する…なんという題名だったか。
寝る前に思ったが、ひょっとしてあれは宗教団体なのではなかろうか。首に掛けたエンブレムのあのドクロが信仰対象で白ローブが教祖なのではなかろうか。
そうでなければ闇の組織だろうか。世界征服の片棒を担がされてるのではないか。
上手くいったら幹部も夢ではないのではないか。
と、寝る前はやはりくだらない考えが巡ってしまう。寝付けなくなるので、この妙な癖がなんとかならないだろうかと思いながら、私は眠りについた。