目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

蘇りし祓う者

ムタキチ

[ムタキチ]

キャラID
: ED812-479
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 133

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 

ムタキチの冒険日誌

2023-08-26 23:36:18.0 テーマ:その他

薄汚れた日記帳 6P

連日館中を駆けずり回った結果、調べていない部屋が残すところあと一つとなった。あれだけ部屋があって、最後の一つになるまでことごとくアタリを引かないとは、もはや一周回って強運とも言えるだろう。

そんなことを考えながら、期待と、やっとここから帰ることが出来るという解放感を胸にドアノブに手を掛ける。
なんだかやけに冷たく感じられた。

部屋の中は他と同様カビ臭く、光は一筋も入ってきていない。陰気な室内は、寒気すら感じる。こんなとこに長居したいという人間はそうそういないだろう。早く暖かい我が家に帰りたい。
私はろうそくに火を点け、部屋中を見回した。他の部屋は木箱やらツボやら樽やらタンスやらのガラクタが床に散乱していたが、ここは随分すっきりしている。強いて特徴を挙げるとすれば、床の模様が独特なことと、部屋の中央に深々と剣が突き刺さっていることしかない。そう、剣である。お目当ての剣である。
なかなか散々な目にあったせいか、喜びが普段より3割増しで感じられる。その喜びの余り跳ねてしまい、散々な目の代表がずきりと痛み跳ねたことを激しく後悔した。

さあこれを持ち帰れば家に帰れるぞと息巻いて、刺さっている剣を抜こうと柄を掴む。なるほどこれは予想以上に深く刺さっている。いや、というよりかは床に固定されていると言った方が近いだろうか。まあ何にせよ力がいるのである。ぐぎぎと現実で言ったのは私が初なんじゃないだろうか。
この…。ふん!と思い切り力を込めたら、突然何の抵抗も無く剣が抜けた。本当に何の抵抗も無く。

瞬間、風を切るような、それでいて館中を震わすような、形容しがたい音が聞こえた。次に聞こえたのは、何かが滴り落ちる音。それ以降は、もう何も聞こえなくなった。
腹部が温かい。そして、赤い。何が起こったのか。
視界にはドクロ頭の何かが映っていた。
ドクロか。ドクロ。なるほど。

私は妙に冴えた頭で考える。依頼主が宗教徒であるという推理はあながち間違っていなかったというわけだ。信仰対象はきっとあれなんだろう。太古の昔に邪教の神官が破壊神を呼び出したという話を聞いたことがある。私はそれと似たような感じで、あれの封印を解いてしまったらしい。それを踏まえて床を見てみると、どうやら魔法陣のようだった。しかも破壊神とまではいかずとも、この刹那で私に斬りかかるようなとんでもない化物を世に放ってしまった。最悪だ。ふざけるんじゃない。いくらなんでも不幸が過ぎる。怪しい連中の依頼なんて安請け合いするんじゃなかった。挙げ句こんな薄汚い場所が死に場所とは。私のせいで被害が出てたまるか。せめて道連れにしてくれる。
死に際の恨みつらみを最大限に込め、呪詛を放つ。
放つと同時に限界が来たのか、私は遂に床に倒れ伏した。

指先がとても冷たくなってきている。視界も掠れ、ほとんど色も判別できない。回復呪文をとも思ったが、ここまで重症だとどうせ焼け石に水だろう。
ああ、感覚も無くなってきた。最期は紅茶とロールケーキと決めていたのに。こうなるんだと知っていれば出発前に立ち寄ったのに。いよいよ頭が回らなくなってきた。結局、彼女と会えなかった。希望はあったのに。これから探すんだったのに。
どれもこれも、あいつとあれのせいだ。そう思い私は床にへばりつきながら、あれを見上げる。どうやら、まだ、動いているらしい。ああ。

あの程度では、ダメだったか
何とか、しなければ

私が、責任を取らねば
いいね! 5 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる