※創作日誌です。耐性がない方は一度考え直してくださいね。
さっきまでとは打って変わり、揺れはおろか駆動音一つしない車内で、砂漠を歩き回った足腰を落ち着ける。椅子はフカフカだ。
「お疲れのようですし、回復して差し上げますよ」
微笑むベホマスライムは触手をこちらへ伸ばし、ひとことベホマとだけ言う。たちまち体に活力が戻って来る!流石は最上位回復呪文、噂だけしか聞いてこなかったが納得の効力だ。
「いやあ助かりました…あ~、ベホマスライムさん」「それじゃ長いでしょう?気軽にベホリンと呼んで下さい、きっとこれから長い付き合いになるでしょうし」
べホリンか…伝説上のホイミスライムの英雄から来てるのだろうか?何にせよ良い響きだ。
「若いのたちは若いのたちで自己紹介が進んでるようだし、こちらも一応名前を聞いてもよろしいかな?」師匠はさっきの猫まどうにそう声をかける。
「そうねぇ、私はミケと言います」
「全然三毛じゃないのにねぇ、ふふ」
「賢者やらせてもらってるんですよぉ」
「その子は私のお手伝いさんでねぇ」
「おかえしに魔法を教えてたらとっても上達して」
「ザードに招かれるほどになりましてねぇ」
「ザードと言えば物流が盛んらしいですよねぇ」
「美味しいお魚とかたくさんあるんでしょうねぇ」
「お魚と言えば」……………………………………
…どうやら相当のおしゃべりのようだ。
「おばあちゃんああなったら止まらないんです…」
ベホリンが呆れた、しかし優しい声で言う。
二人の間にも、俺と師匠とはまた少し毛色の違った、愛情と絆が見えた気がした。