※創作日誌です。苦手な方はお互いのためですので
ここでお引き取り下さいね。
ナイトウに連れられ、ザードの城の正門前まで来た。もう何も言うまい。盛況ぶりにふさわしい建物だ。
「さ、早く行きますよ。一人待たせてるんですから」「え、まだ呼ばれている人がいるんですか?」
「はい、ま説明が面倒なので実際にあってもらった方が早いと思いますがね」
これ以上増えられると名前が覚えられるか心配になってきたぞ。
城内部も外装同様に豪華に仕上がっている。あの棚なんかツヤが強すぎて木に見えないくらいだ。
さらに至る所に兵士がいるので、ちょっとやそっとのことでは陥落しないだろうと思われる。
などと内見に勤しんでいたら、ナイトウが
「あ、ほら見えてきましたよ玉座の間」
確かに、ひときわ豪華な扉が見えてきた。
…そして、その扉の前に何かが置いてある。
大きなレンガの塊のように見えた。
「お待たせしました」
ナイトウがそのレンガの塊に声をかける。
ひょっとしてこいつはヤバいヤツなのか?レンガに話しかけるとか…。
そう思った瞬間、レンガ塊が動き出した。何事だ!
「やっときたか。まちくたびれた。」
よもやレンガの塊が喋りだすとは…ん?よろいが喋るのもよく考えたらおかしいか。似たようなもんだな。「えーとこちらがゼクレス貴族の…」
「"元"だ。元ゼクレス貴族のゴレ=ムス=サンドロスだ。よろしく。」
よりによって長い名前が出てきてしまった。間違いなく間違える自信がある。
「ゴレ=…さんですね、こちらこそよろしく」
早速覚えきれていない。初対面で失礼なことをしてしまった…。
「………まあそれでもいい。ゴレさんと呼べ。」
気に入った(?)ようで良かった。これなら覚えやすいぞ。
「あ~、私がここで自己紹介促したのでアレなんだけど、そろそろ謁見しません?」
まったくもってナイトウの言う通りだ。ひとまず切り上げて、俺達は扉の向こうへ向かった。