※創作日誌です。肌に合わない方はここでお閉じ下さいね。
「参られましたか」
左目に眼帯の参謀のような魔族が俺達を迎えた。
「本当はもう少しもてなすつもりだったのですが…王のずさんな予算管理のせいで叶わず」
言いながら彼は奥に座っている人物を睨みつけている。
「まあそう言うな。そのずさんな予算管理のおかげでいいモノが手に入っただろ?おま…貴殿らも楽しみにしとくといい。」
「はぁ…計画的にやっているこっちの身にもなってほしいものです…。」
額に手を当て呆れる参謀のひと。
「王、招集した目的も、名乗りも挙げていません」
「あ。そうだないけないいけない」
何をどう言うかやや悩んだ後、
「単刀直入に言おう、近々ゼクレスと争いを起こす。そこで腕利きの貴殿らに少数精鋭部隊として向かってほしく呼び集めさせてもらった。あと名前はヴァルザードだ、よろしく頼む」
「王、いくらなんでも自己紹介が雑すぎます」
うるさいうるさい、とでも言わんばかりに参謀を手で制し、続ける。
「少数なぶん、医療はもちろん、装備品や物資は水準の高いものを用意させてもらうし、それ相応の対価も払おう。ただ、命の保証はできない。そして強制する権利もこちらには無い。…さあ、どうするお前たち」俺以外の他の連中は、どうやらある程度察していたらしく、静かに頷いていた。
肝心の俺はどうかというと、正直な話、本物の戦場で自分の力を試せるのかと内心ワクワクしていた。
ひょっとしたら英雄になれるかもしれないぞ、と思うと頷かずにはいられない。これで、この場にいるメンツは満場一致で参戦することになった。
「貴殿らの協力、心から感謝する。餞別として、いいモノを用意させてもらった。これから訓練室に向かってソレを受け取ってきてほしい。では、また後ほど」いいモノ…何だろうか?銅の剣とゴールド百ちょいなんて貧弱なものがいいモノだなんてオチではないことを祈る。
あと、部屋を出る直前、ヴァルザード王の噛まずに言えたぞ!という声が聞こえてきたのだった。