ルダ「これは・・・」
ザーーーーーーーーーーーーーーー。
さかのぼること一か月前
”エンド・ワールド”との戦いの地
雨に打たれうつぶせに倒れてるクルーゼ
そこに傘をさし立ち止まる女性
ルダ「まさかな・・あの人は帰ってこない・・・
なのに・・なぜ・・・」
ルダ「たわむれな神のいたずらとでも言うべきか・・・」
まったく動けないクルーゼ
ルダ「こういうときは助けねばならんと
本に書いてあったな」
クルーゼを持ち上げルダの自宅に連れて帰る
ルダの家
ベッドに倒れたままのクルーゼ
クルーゼ「(なんだ・・俺は負けたのか・・・なににだ?
一体なにに負けて、こんな身体中も痛いし・・)」
クルーゼ「(痛いってことは・・死んでないってことか?
あれ・・ここは・・どこだ・・?)」
突然、起き上がったクルーゼ
ルダ「目が覚めたか?どうやら元気なようだな」
負傷しているクルーゼを見たルダ
ルダ「傷だらけだな?
なにを、どうしたら、そうなる?」
クルーゼ「あんたが俺を助けてくれたのか?」
ルダ「結果的には、そうなる」
クルーゼ「・・・なんだ・・その言いよう?」
ルダ「いや、私が、もし、どこかで倒れていたら
助けてほしいと思うだろう
だから助けた。それだけだ」
クルーゼ「・・・薄情なのか・・情け深い人なのか
わからねえな?」
ルダ「私も、よく、そう言われる」
ルダの家には暖炉があり
ルダ「ずっと雨に打たれていたのだ
暖炉で身体を温めたらどうだ?」
クルーゼ「いいのか?」
ルダ「好きにしろ」
暖炉で身体を温めるクルーゼ
クルーゼ「あんた名前は?」
ルダ「お前から名乗ったらどうだ?
私は死にかけたお前を助けてあげたのだからな」
クルーゼ「俺は・・あれ・・俺は・・・」
ルダ「まさか。名前のない人間などおるまい」
クルーゼ「くっ!俺は誰なんだ!ここはどこだ!!」
ルダ「(・・・居たのだな)」
クルーゼ「なにも・・思い出せない・・・」
ルダ「これは困った珍客を招待してしまったようだな」
クルーゼ「俺は誰なんだ・・ちきしょう思い出せない!!」
ルダ「大声でわめくな。死んだわけではないのだろ」
クルーゼ「すまない。身体を温めたら すぐ帰るって
・・・おい!」
ルダ「では、この温かいポタージュは必要なくなってしまったな」
クルーゼ「それは食べる!っていうか・・食べていいか?」
ルダ「お前のために作ったのだ。食べるがいい」
クルーゼ「・・・・・・・・・・・」
ルダ「そこまで怯えることないだろ?
毒なんぞ入ってないし毒殺しても
なにも得はなさそうだしな」
クルーゼ「・・・その言い回しが逆に・・警戒させるんだよ」
ルダ「ではポタージュは要らないと?」
クルーゼ「それだけは食べる!!」
ルダ「ずいぶんと厚かましい客だな」
ポタージュを食べるクルーゼをルダは見ていた
ルダ「・・・そんな思いっきり見られると
多少、構えてしまうのだが?」
ルダ「名前すら思い出せんのなら名前をつけてやろうか?」
クルーゼ「いや偽名くらいだったら」
ルダ「ガティレイアという名前はどうだ?」
クルーゼ「・・・勝手に決めてるじゃんかよ
しかも、それなりに、おしゃれな名前だし」
ルダ「何も思い出せなくて身寄りも連絡する人も思い出せないなら
私の護衛をしてくれないか?」
クルーゼ「あんた、けっこう偉い人なのか?」
ルダ「護衛を1人は雇ってもいいほど偉い」
クルーゼ「・・・だから・・その言い方がわかんねんだよ」
ルダ「ルダ・パラスだ
よろしく頼むガティレイア」
敵空中要塞 バハメクト・ヴォーム
レオン本陣 牢獄
クルーゼ「あの時ルダが助けてくれなかったら・・・」
ルダ「そうだな。私も、先の戦争で敗北もしなかったし
牢獄に入れられずに済んだ」
ルダ「やはり、あのポタージュに毒を入れておくべきだったか?」
クルーゼ「・・・ルダの家に何に使うんだかわからん
毒薬あったからマジで入れそうで怖かったがな」
ルダ「もう少し昔話をしないかガティレイア?」
クルーゼ「・・・ほんの一か月前だけどな」
グレン住宅村
シェイン「学園にめっちゃ人が居たよ!」
アスフェイア「学園、それは、もう1つのメインストーリー」
シェイン「そうなの?」
アスフェイア「勝手に、そう決めた♪」