テルモア国
ベルバルド「メアリーさんに策があると聞き出向いてみれば
ここはテルモア国。第2人類と第3人類が
偏見も恨みなく共生できる、ただ1つだけの国」
ハースネン「お褒めに預かりし光栄です第3人類の王
ベルバルド・グローリー殿」
ベルバルド「そのような言葉遣いで迎えてくださるのですね
私たち第3人類がルガスタに迷惑をかけているのです」
ハースネン「ここは第2人類も第3人類も関係ありません
だから客人には礼をもって接するべき」
テールス「で?メアリーは、ここで何をしたいの?
気のせいなら、そっちを選びたいけど
君たちが運んできたのはエンドだよね?」
メアリー「死骸だけどね」
ハースネン「世界を恐怖に陥れた化け物をどうするんだメアリー?」
メアリー「これを使えば伝える言葉が強くなる
テルモア国を使わせていただき
ありがとうハースネン」
ハースネン「私はかまわないさ。これがメアリーの言う
世界を平和に導くための最良な策なら
私も、それに参加したい」
ベルバルド「第3人類を庇護してくださる心遣い、まことに感謝します
私たち第3人類は創造主にたぶわかされたとはいえ
ルガスタを奪いに戦争をしかけてきたのに」
メアリー「ベルバルドさん?それで悩むのは
これで終わりにしましょう
ルガスタに移住するしか
10億もの第3人類を救うすべはなかった」
メアリー「そうなれば、誰もが同じ選択をしたでしょう」
ベルバルド「そう言っていただけると私たちは
救われる思いです」
メアリー「皆さんの伝えた通り緊急生放送になります
渡した資料の内容を頭に入れ明日それを実行します」
クルーゼ「演説する役者がメアリーでは役不足だよな~」
メアリー「ずいぶん、きついこと言うのねクルーゼ?」
メアリー「私だって私の知名度では演説は難しいかもだけど」
クルーゼ「バカ親父(スバーシア王)に、その役してもらうか?
無駄に有能すぎるからな」
ルダ「スバーシア王が政治するラグガイア王国は
第3人類の移住を受け入れなかった
そんな人の声では第3人類の心に届かない」
メアリー「ラフィス王は、このルガスタの混乱を
創ってしまった本人だから
演説したら反感を買うだけでしょうね」
ベルバルド「ルガスタをエンドから救った奇跡のウォーリア
アキ・ルナフェクトなら
世界の民は聞き入れるのでは?」
アズベス「アキは行方不明です」
ベルバルド「・・・え?」
クルーゼ「エンド・ワールドから世界を救ったのだから
残りの余生は一生遊んで暮らすと
かわいい女の子(ミカのこと)連れて
どこかに消えましたね」
ベルバルド「・・・自由な方ですな」
次の日の夜
演説の準備が整い”世界モニター”を使って
世界に放送を試みるメアリーたち
メアリー「このルガスタに生きる皆さん、聞こえますか?
私はメアリー・フェルフィスカ
かつて奇跡のウォーリアと共に戦った
フェルフィスカの末裔です」
そのメアリーの演説が世界に設置された
モニターに映る
世界各地
「なんだ?いつも世界放送を突然だよな」
「第2人類と第3人類でのことで何かを言うのか?
もう死者もでてるんだぜ」
「聞くだけ聞いてやるか。内容次第だけどな」
メアリー「いまルガスタは大きな問題を抱えています
第2人類と第3人類のことです」
メアリー「私たちは共に手を取り歩めないのか
それが現実になることはないのか
それが現実になること、願いを込めて
いま、この場を借りて世界に発信しています」
メアリー「種族が違う人類を、わかりあえない悲しみが世界を包み
それが争いごとになっているのなら変えたいために
みなさんに、御覧いただきたい物があります」
世界モニターは、そこにエンドの死骸を映した
世界各地
「おい!あれってエンド・ワールド末期に!!」
「世界を恐怖に陥れた悪魔だ!!」
「そんな物を世界に見せて不安を煽りたいのか!?」
この放送を見ている世界の民は、ざわめきはじめた
クルーゼ「(本当だぜメアリー?
使い方を誤れば世界を恐怖に落としかねん
どうエンドの死骸を使うつもりだ?)」