グレンハム王国 王宮庭園 深夜
クルーゼ「クルーゼ・フォン・ラグガイアか
嫌な名前の方で呼ぶ?」
ラフィス「私も嫌な名前のほうで呼ばれたよ
ラフィス・ザン・ゼネスと」
クルーゼ「王であることを拒みたいよな
俺がクルーゼ・クロスナーでありたいように」
ラフィス「私もラフィスと呼ばれたかった
どうしても名前の後に”王子”と呼ばれて育った」
お互い自由になりたいんだよな
クルーゼ「・・・・」
ラフィス「王位なんて いらない
欲しくもない うっとうしいだけだ」
ラフィス「王位を継いだ瞬間 ”普通に生きられなくなる”ぞ?」
クルーゼ「王になったことを後悔してるのか?」
ラフィス「後悔してるさ もう私は”普通”を味わえない」
ラフィス「私は世界の代表国家 グレンハム王国の王
お前は世界国家群当主
アリーゼの代表のスバーシア王の息子
どちらも重い物を背負うわけだ」
クルーゼ「世の中の野心家はトップになることを望むが
頭 おかしいんじゃないのって思うな」
ラフィス「その考えには賛同する
世界を背負う王なんて世界の代表の生贄だ
クルーゼ「今日まで率いてきた
世界のトップの言うことは違うな」
ラフィス「とわいえ失敗もしたさ
第3人類の惑星 フェイルアムから
第3人類の10億人の民をルガスタに移民させたとき
世界は混乱に落ち少なからず死者もでた
私のやったことでな
ラフィス「正直 私は逃げたかったさ
だが もう逃げられない 背負ってしまったからな」
ラフィス「クルーゼ? お前は今なら逃げられるぞ?
まだ背負っていない 逃げて”普通”を手に入れろ?」
ラフィス「普通とは普通という物を積み重ねていき
その間に幸せと悲しみが はさまっている
それを積み重ねて生きられるなんて幸せだ」
ラフィス「私は もう普通が手に入らない」
クルーゼ「その悲しみを知った者の言葉は重いな
だが俺もラフィスと同じ道を行くようだ」
ラフィス「受け入れるのか”特別”を?」
クルーゼ「そうしないとラグガイア王国の民は
指導者を失い路頭に迷う」
ラフィス「どちらも すべての自由を奪われた生贄に
なるしかないのか」
クルーゼ「悲しいが その道しかない」
クルーゼ「どうだった?世界のトップとして
2つの大戦をくぐりぬけた感想は?」
ラフィス「生きた心地がしなかった
それが世界を背負うと言うことだろ」
ルダ「(命のやりとりをしようと言うのに
仲良さそうに話など?)」
ラフィス「背負う物を背負うんだ
”せめて この時だけ これくらい許されてほしい”」
ラフィスは刀を抜いた
クルーゼ「結局 そうなっちゃう?」
ラフィス「否定はさせんぞ?お前も望んでるはずだ」
戦うことでしか感じられない戦士の喜びを?
クルーゼ「・・・」
ラフィスの刀身を 見つめながら
なにかを思うクルーゼ
ルダ「クルーゼ?」
クルーゼ「ルダ?何があっても この戦いに割って入るな?」
ルダ「どうして!?」
クルーゼ「もはや戦争はおわっている
これは戦士と戦士の戦いでしかなく
あくまで私情だ
戦いたい相手が居るから
命を賭けて戦う それだけだ」
ルダ「お前!そんなことは!?」
クルーゼ「・・・
許してくれ
クルーゼは刀を抜いた
ルダ「クルーゼ・・・」
クルーゼ「1つ聞かせてくれラフィス
お前は”作者”に あやつられているのか?」
ラフィス「すまなかったな あやつられていない」
ルダ「なに!なら こんな
ふざけた戦争に発展させたのも!?」
ラフィス「・・・
死者がでないからいいだろ?
ルダ「何を言っている!?」
ラフィス「”子供たち”に死んでほしくないようだからな」
ラフィス「私は ただクルーゼと戦いたいバカ者だ
だから 今だけは許してくれ」
クルーゼとラフィス
共に歩を進め距離を詰める
ルダ「(・・・・)」
回想 クリスフェル村 昼
ルダ「話と言うのは?」
ラドゥム「クルーゼは戦士の陶酔を
味わいたいと知ってしまった」
ラドゥム「だから その時はルダ?
お前の力でクルーゼを”人に戻してくれ”