レニィアーゼの冒険日誌

　　　　　　　
　　　　　なぜ　わざと捕まったまま脱出しなかった？


グレンハム王国　王宮　夜明け前

　　　　　　　アキの顔面に剣先を向けるラフィス

ラフィス「お前らしくもない　
　　　　　同胞が多く死ぬかもしれない状況を作り
　　　　　お前が狙っていた物はなんだ？」

アキ「・・・

　　　　　　　引っ張り出せると思ったんだよ作者を


ラフィス「作者をだと？」

アキ「マイから聞いた
　　　作者と戦える時と　そうでない時がある
　　　作者がルガスタに干渉した時でしか
　　　作者と戦えない　なら引っ張り出すのは

　　　　　　俺たちが作者に良い見世物をした時だけだ

ラフィス「同胞たちの同士討ちをエサにしたのか！？」

アキ「作者が滅べばルガスタから
　　　この世界に生きる者の悲しみはおわる」

ラフィス「そのために仲間が犠牲になろうとも
　　　　　仕方のない事か？」

アキ「・・・」

ラフィス「アキ・ルナフェクトは変わったか？
　　　　　お前は仲間の死が嫌いな
　　　　　あますぎる優しい人間だったろうに？」

アキ「・・・」

　　　　　　　刀をさやにおさめたラフィス

ラフィス「その行動は正解だと思うよ　軍人としてはな」

アキ「人としては最低？」

ラフィス「そう思う者が多いだろうな

ラフィス「部屋に帰って休め」

アキ「・・・」

　　　　　　　　部屋に帰る途中

アキ「・・・」

　　　　　　　　アキが自室に向かい歩く

　　　　　　　　ゆっくり歩を進めて

　　　　　　　　その歩についてくる足音が聞こえる


　　　　　　　　　　　　　　アキ？


　　　　　　　　呼びかける声　それでも歩を進めるアキ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　アキ？


　　　　　　　　その声に振り向きたくないのか歩を進めるアキ


　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　もしかして





　　　　　　　　　　　　　　泣いてるの？







アキ「・・・」

　　　　　　　　　　声が聞こえた方に振り返った

　　　　　　　　　　アキはポロポロ涙をこぼしていた

メアリー「つらかったね・・本当に　つらかったね・・・」

　　　　　　　　　　アキを優しく抱きしめるメアリー

アキ「こんなこと・・したくなかった・・・
　　　作者を引っ張り出すのに多くの同胞を
　　　命を危険に晒した
　　　作者を倒せば　こんな戦争はおわる　でも・・・」

　　　　　　　　泣きじゃくるアキ

　　　　　　　　メアリーは抱きしめながらアキの背中を

　　　　　　　　ポンポンと叩きアキを慰めていた

メアリー「わかってる　アキが　こんなことしたくないって
　　　　　私は　わかってるからね　つらかったね
　　　　　本当に・・つらかったね・・・」

　　　　　　　　　アキの涙が　もっと溢れてきた

　　　　　　　　　メアリーの　その優しさに

　　　　　　　　　メアリーの　その温もりに安堵し

　　　　　　　　　涙を流し声をあげ泣いているアキ


アキ「ごめんな・・なんでメアリーには・・・
　　　こんな弱い俺がでてしまうんだろうな・・・」

　　　　　　　　メアリーには不謹慎にも

　　　　　　　　その言葉が　うれしかった

　　　　　　　　弱い自分を私には見せてくれる

　　　　　　　　その愛しい人を　なぐさめてあげられる自分が居る

　　　　　　　　心から己をだしてくれるアキに

　　　　　　　　メアリーには　それが　うれしかった


メアリー「大丈夫だから・・もう大丈夫だから・・・
　　　　　元気をだすんだよアキ・・・」

　　　　　　　　泣いているアキの顔を見て

　　　　　　　　優しい笑顔を見せるメアリー

　　　　　　　　メアリーの　その優しさに

　　　　　　　　アキの悲しみは　ほぐれていった