レニィアーゼの冒険日誌

グレンハム王国領内

森の中

クルーゼ「良い天気だよなルダ？」

ルダ「あぁ　木漏れ日の中でウトウトしてしまうな」

クルーゼ「うっかり眠ったら俺が何をするかわからないぞ？」

ルダ「その時は私を襲えばいいだろ？」

クルーゼ「・・・」

ルダ「どうしたガティレイア？」

クルーゼ「・・・普通　女の子から　そういうこと言う？」

ルダ「そうしたかったんだろ？」

クルーゼ「・・・否定・・できないけどな」


　　　　　　私はクルーゼと二人きりで居る時は

　　　　　　クルーゼの事をガティレイアと呼ぶ

　　　　　　
　　　　　　雨の日に森で傷つき倒れていたクルーゼを介抱し

　　　　　　記憶喪失で自分の名前もわからないと言うものだから

　　　　　　私はクルーゼに”ガティレイア”と言う

　　　　　　名前をつけた


　　　　　　あまりにもガティレイアに似ていた

　　　　　　ガティレイアが来たのかと思った


クルーゼ「なあルダ？ガティレイアって

　　　　　　　　
　　　　　　　お前の昔の彼氏の名前か？


ルダ「・・・


　　　　　　　いつか　そう聞かれると思っていた・・・


クルーゼ「・・・図星か？」

ルダ「いつか言わなきゃと思ってたが
　　　気分を悪くしたか？」

クルーゼ「ルダが俺にガティレイアを望むなら
　　　　　俺はガティレイアでも　かまわないさ」

ルダ「お前は優しいやつだな
　　　普通　今の彼女が昔の彼氏の事　話すと
　　　男は機嫌悪くなるのではないか？」

ルダ「なのに私のためにガティレイアで居てやるとなどと」

クルーゼ「正直　昔の彼より俺自身を見てほしいがな」

クルーゼ「変な事　聞くようだけど
　　　　　教えてくれないか？」


　　　　　　　ガティレイアが　どんな人間だったのかをさ


ルダ「気を悪くしないか？」

クルーゼ「できるだけ　がんばるよ」

ルダ「あれは今から１２年前の第３人類の惑星
　　　フェイルアムに居た時の事だった」


１２年前

惑星フェイルアム

ガティ「ここもか・・・」


　　　　　　荒れ果てた荒野を見て　その男は言う


　　　　　　　　調査員　デッルソ


デッルソ「空気が薄くなってきてます
　　　　　もう　ここら一帯は人の住める場所ではないかと・・・」

ルダ「どうしようガティ？」

ガティ「この二年でフェイルアムの
　　　　すべての地域は調査した
　　　　首都　ターバックに急ぎ戻り
　　　　このことをベルバルドに報告しに行くぞ」

ルダ「ガティ？もうフェイルアムは
　　　人の住めない惑星になるの？」

　　　　　　まだ１２歳のルダの頭を　なでながら
　　　　　　ガティは笑顔で言う

ルダ「（・・・あ）」

ガティ「心配するなルダ？
　　　　そうならないようにするのが俺の役目だ」


惑星フェイルアム　首都　ターバック

ベルバルド「カセリナもルークンも（地名）
　　　　　　もう空気は存在してなかったか」

ガティ「フェイルアムは
　　　　そう遠くない未来に滅ぶでしょう」

ベルバルド「この星と共に終焉を迎えるか・・・
　　　　　　いや・・不思議の女神に頼れば」

ガティ「伝承に聞く不思議な女神の拠点ルイジェネウス
　　　　彼らの庇護を受け　そこに避難できても
　　　　救える命は１万人ほど」

ベルバルド「不思議な女神はエンド・ワールドから
　　　　　　わずかでも人類を逃がすための受け皿でしかない
　　　　　　私は考えなければならない
　　　　　　どうすればフェイルアムに生きる
　　　　　　１０憶の同胞を救えるかを」

ガティ「しかし・・・」

ベルバルド「希望は　いつも　そこにある
　　　　　　ただ見えないだけだ
　　　　　　なら、見つけるしかない　救いはある」

ガティ「”創造主”の言うことですか？」

ベルバルド「今は創造主と名乗る　その者に
　　　　　　救いの手段を聞くしかない」