あの時から7年後の現在
木漏れ日の森
これが私の知るガティレイアの話だ
クルーゼ「・・・そっか」
クルーゼ「亡くなっていたのか ごめん」
ルダ「かまわないさ ガティレイアを
知りたいと言う人間が居ることが
私の何よりの幸せだから」
クルーゼ「でも それほどの大戦をしたのに
誰も覚えていないなんて」
ルダ「ガティレイアは死に際に
”作者”と呼ばれる者に出会った」
ルダ「君を生き返らせることはできないが
最期に君に願いがあるのなら叶えようと」
ルダ「そしてガティレイアが願ったことは
すべての人類から
ガティレイアと言う存在を消してください
クルーゼ「なんで・・そんな悲しい事を・・・」
ルダ「”あの大戦に”深く関わったのはガティレイアだ
そのガティレイアの存在を消せば
すべての人類が あの大戦の
痛みと悲しみを忘れられる
クルーゼ「・・・そんな」
クルーゼ「だけど!忘れられるってことは究極の死だ!
覚えていてくれる人が居るから人は永遠に生きられる!」
クルーゼ「どこまでガティレイアは己を犠牲にするんだ!」
ルダ「それがガティレイアと言う人間だ」
クルーゼ「・・・優しいんだな」
クルーゼ「なんでルダだけはガティレイアのこと
覚えて居られたんだ
クルーゼに振り返ったルダ
大粒の涙をこぼし泣いていた
ルダ「・・・私が
・・・ガティレイアのこと
忘れられるわけないだろ!!
クルーゼ「・・・」
ルダ「私の・・この肌が この唇が この身体が この目が覚えている
ガティレイアがくれた優しさも空気も温もりも
ぜんぶガティレイアがくれたものだから・・・」
感情的になるルダ
ルダ「私が覚えてないと本当にガティレイアは死んでしまう!
私は覚えていないといけないんだガティレイアのために!」
クルーゼは泣きだすルダを優しく抱きしめた
ルダ「・・・クルーゼ?・・いつか言ったな
お前はガティレイアに似ていると」
クルーゼ「・・・あぁ」
ルダ「顔は似ているとは言えないけど
その息遣いも雰囲気も性格も
ガティレイアその者に近いんだ」
ルダ「クルーゼがガティレイアを覚えていさせてくれる」
クルーゼ「・・・」
ルダ「私は お前にガティレイアの幻影を見ているだけだ
私は本当のクルーゼを好きではないかもしれない」
ルダ「だから・・こんな私なんて見ないで・・・
他の女の子を好きになればいい・・・」
・・・嫌だ
ルダ「え?」
クルーゼ「ルダ?お前が俺にガティレイアを求めているなら
俺はガティレイアであり続けるよ
俺は それでもかまわない」
クルーゼ「ルダが俺に本当の俺を見てくれなくてもかまわない」
ルダ「本当に・・それでいいのか・・・?」
クルーゼ「俺も・・ルダが好きだからな・・・」
ルダ「・・・ごめんね」
優しく抱きしめるクルーゼの背中に手をまわし
ルダもクルーゼを抱きしめた・・・
ガティレイアは生きています
私が・・忘れないから・・・
ガティレイア編 おわり
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筆者
まさか ここまでガティレイアの話を書くとは思いませんでした
半年くらいで終わる短編だと思っていたのに
書いたら書いたで止まらなくて
気が付けばガティレイアの話を1年以上書いてました
私は言葉に出会いたくて物語を書いています
様々な人間を頭の中で会話させて
気が付いたら それが物語になっています
今回の話で何か言葉に出会えたかなと思うと
なんでしょうね・・・
覚えていてくれる人が居るから
人は永遠に生きられるんだろ
それとも
そんなリアルいらないよ
かな??
私も改めて物語を読んで探したいと思います
悲劇を書くって こんな悲しいとは思いませんでした
ガティレイアが それを気が付かせてくれました
そんな”私の子供たち”に ありがとうと言いたいです
ガティレイア編を 読んでいただけた方
たくさんの いいねを くださった方
本当にありがとうございます
次の物語を書き始めたいと思います
ガティレイア編は ここでおわります
つぎの物語を書いていきます
読んでくれたらうれしいです。