15万を越える
戦場が そこにはあった
一人の男と
もう一人の男と女が物を言い合う
女は口を開いた
お前が戻れば すべては元通りだ!
悲痛の心がある その声に
その言葉を向けられた男は黙ったまま
すべては元通り・・そうかもしれない・・・
だが 彼にもできてしまった
守りたい人が居る 守りたい世界がある
皮肉にも一度 愛した女の言葉から
受け入れ難い事を言われている
クルーゼ「俺が戻れば元通りか?」
セネア「クルーゼなら・・・
私の知ってるクルーゼなら帰って来てよ!?」
セネア「なぜ私たちの敵になるのよ!?」
クルーゼは黙ってしまい視線が地面に向く
セネア「”予定”にあったわ このまま進めば
クルーゼに会えると
あなたを説得し連れ帰る事 それが私の目的」
ゲジジェ「ヴァリアスオーブを破壊し
戦争を早期決着するのは?」
セネア「ごめんなさい ぜんぶ私のワガママ」
ゲジジェ「そうじゃないかと思っていたよ」
セネア「わかってたのゲジジェ?
わかってて つきあってくれたんだね・・・」
ゲジジェ「俺も戻りたかったんだよ
あの頃の3人に」
回想 12年前
ゲジジェの一撃を受け倒れるクルーゼ
クルーゼ「どうやってもゲジジェに勝てないな」
ゲジジェ「クルーゼに剣術まで負けたら
俺の立場はなくなる
お前は軍を率いる才能があるだろ」
セネア「フフ 無いものねだりね 二人とも」
ゲジジェ「なあクルーゼ?セネア?
俺達で隊を創らないか?」
ゲジジェ「クルーゼの采配に俺の武力を加え
魔導隊を率いられるセネアが加われば
すごい強い隊になるぞ!?」
ゲジジェ「そんでもって隊長は お前だクルーゼ?」
クルーゼ「えええ! 人の上に立ちたくないよ
何かあったとき責任取りたくないよ」
セネア「そういうところクルーゼだね」
ゲジジェ「本気になればクルーゼは強いと思うが」
セネア「本気になれないのがクルーゼなのよね」
クルーゼ「みんな・・そろって・・まあ言いたいことを・・・」
ゲジジェ「よーし!クルーゼ隊 結成だ!
認可が下りるよう
セクト様に報告に行こうぜ!」
クルーゼ「俺 まだ何も賛同してないんだけど!?」
回想 終了
ゲジジェ「お前とセネアと いくつもの戦場を駆けた
クルーゼ隊も周囲から期待される存在になった」
ゲジジェ「俺は楽しかったんだ
セネアとクルーゼと共に居られた日々が」
クルーゼ「・・・ゲジジェ」
ゲジジェ「もう一度 言う 帰って来いクルーゼ?」
セネア「帰って来てよ!?」
ゲジジェ「帰る気はないか?」
うなずくクルーゼ
ゲジジェ「そうか・・・」
ゲジジェは刀を抜いた!
セネア「何をする気なのゲジジェ!?」
ゲジジェ「クルーゼにはできてしまったんだよ
俺達よりも大切な仲間がな」
クルーゼ「ちがう!」
ゲジジェ「なら 戻って来れるはずだ!?」
クルーゼ「・・・」
ゲジジェ「・・・
戻れないんだろ?」
クルーゼ「・・・」
ゲジジェ「”エタシュ”も人間も
お互いを許せない存在になった」
ゲジジェ「そして俺達も その荒波に飲まれた
クルーゼ? お前が敵になるのなら
俺が お前を撃つ
クルーゼ「・・・」
ゲジジェが刀を構え突っ込んでくる!
・・・俺を・・討ちに?
それでもいいと思った
でも
クルーゼと己の名を呼ぶ
笑いかけてくれる女性が居る
クルーゼ「ルダ・・・か」
クルーゼ「俺は・・・
・・・伝えてない
愛しい人に俺の全部を知ってもらってない
クルーゼ「俺に・・・
死ねる権利はない
ゲジジェ・・一度も勝ったことはない・・・
本気で挑まないと・・死か・・・
クルーゼ「ルダ・・・
死ねない・・死ぬわけにはいかない・・・
ゲジジェ「なに!?」
クルーゼ!刀を構え!ゲジジェに突進!
両者 ぶつかった