レニィアーゼの冒険日誌

　　　　　　　どうした？　なぜ　また泣いている？



ザファイドアーク（地名）　南部


　　　　　　終わらせなきゃいけないんだ

　　　　　　終わりにできないのか？


　　　　　お前の弟は言っただろ？



　　　　　　　　　”生きてね”と



　　　　　　あいつが生きられなかった分


　　　　　お前は　あいつのために生きなきゃならないんだ


　　　　　　　　　　　　なのに



　　　　　　　　また泣き出してしまったのか？




　　　　　　もう　割り切ってほしい

　　　　　　でも　人の想いは



　　　　　　　　　理屈で片づけられるものではない


　　　　　前に進めなくなるぞ

　　　　　過去に縛られ続けるとは悲しい事じゃないのか？


　　　　　　　また言いたいのか？

　　　　　　　「お前は何も失った事ないから
　　　　　　　　俺の想いは理解できない」と？



　　　　　誰かが言ってたな

　　　　　失った事がないこと



　　　　　　”それって幸せって言うんだよ？”と



　　　　失ったことの無い俺には　わからないのかな・・・


　　　　もし　その気持ちが　わかる人間が居たら




回想

７年前　リトル・フェイルアム


ルダ「最期だなんて言うなああ！」


ガティ「・・・もっと



　　　　　　　ルダと・・遊んでいたかったな・・・



　　　　　　　　　　回想　終了



　　　　　　悲しみは悲しみを知る者にしか

　　　　　　伝わらない想いがあるのかもしれない


アキ「ハリス・ヴァーレだな？」


　　　　　　　　黒衣をまとった者が現れる



ハリス「・・・」


アキ「・・・


　　　　　　　
　　　　　　　わかって　あげられなくて　ごめん




　　　　　　　　　黙って　その言葉を耳にしたハリス


アキ「・・・俺は



　　　　　　　大切な人を失った事がない

　　　　　　　ルダは　それを幸せだと言ってくれたが

　　　　　　もし　失ってないことで悲しみがあるとしたら



アキ「・・・




　　　　　　お前の気持ちを　わかってあげられないこと




ハリス「・・・何を・・今さら！？」


アキ「なぜ　また泣いている？」


　　　　　　　ハリスが言葉と想いを発した


　　　　　可能性を知ってしまったからだよ



ハリス「奇跡の英雄　お前の奇跡でも
　　　　弟は生き返らなかった



　　　　　　　　だが　作者なら




ハリス「ペンを使ってノートにスコットを
　　　　書いてもらえば
　　　　それだけでスコットは生き返る」


アキ「それは　ただの入れ物だ
　　　心まで復元できない」

アキ「お前とローズと共に過ごし築いた絆も
　　　育んできた心も作者は復元できるのか？」


　　　　　　・・・黙ってしまったハリス


アキ「作者が



　　　　　　作者にとって

　　　　　　どうでもいいスコットの想いを

　　　　　　理解できると言うのか？



ハリス「・・・ならば




　　　　　　　入れ物だけでもいい！！




　　　　　そう叫ぶハリス

　　　　　その声色は悲しみに満ちていた





ハリス「・・・お前には・・理解できないよ！



　　　　　　何も失ったことのない　お前に！

　　　　　　理解できる物ではない！！




　　　アキの右後方に刀が出現した！


　　　その刀がアキに斬りかかっていった！！




アキ「・・・本当



　　　　　　俺って・・幸せなんだな・・・



　　　　そのハリスの攻撃を

　　　　わかっていたかのように　かわす




　　　　　　　後方から声がした



　　　　　　私が　そいつの相手をする




アキ「ルダ？」

ルダ「失った者　同士の戦いだ」



　　　　　　　　今度こそ　わからせる




ハリス「フィスカ山で会ったな　ルダと言ったな？」


ルダ「聞こうか？私たちは



　　　　　　共に失った悲しみを知る者だ