レニィアーゼの冒険日誌

　　　　
　　　　　　あの時　私に説教した女か

　　　　　　また私に何か言いたいのか？


ザファイドアーク（地名）　南部


　　　　　この悲しみは私にしか理解できない

　　　　　ローズもルドルフも理解できない

　　　　　失ったのは私なのだから


　　　　たった一人の私の弟

　　　　たった一人の私の家族


　　　失ったんだ・・フェルク騎士団から奪われた・・・

　　　利用価値のなくなった弟を”ルペンス”と言う

　　　　　　スキルの実験台にされて死んだ


　　　いや・・私が殺したようなものだ・・・


　　　　　　ルペンスにより狂気に満ちたスコットが

　　　　　　私を攻撃してきた

　　　　　　打撃を与え気絶させるつもりが



　　　　　　　　・・・そのまま・・動かなくなった


ハリス「お前らに・・・


　　　　　　　　　　何がわかる！？


ルダ「・・・・・



　　　　　　　似たような経験ではないが

　　　　　　　私も失って悲しんだ者だ




ハリス「なに！？」

ルダ「家族ではないが家族になりたかった相手だ


　　　　　　　７年前　第３人類がルガスタに侵攻した

　　　　　　ルガスタを奪って　そこを住処にするしか

　　　　　　第３人類に生き残る術がなかった


　　　　　その奪う悪魔の役目をガティレイアに任せられた

　　　　　私は　そのガティを支えたくて戦った




　　　　　　　　　　　・・・だが

　　　　　　　　　・・・ガティは死んだ

　　　　　　　　　ルガスタと　その惑星に生きる者
　
　　　　　　　　　すべてを守るために　

　　　　　　　　　ルガスタを滅ぼすほどの

　　　　　　　　強大な攻撃を身を盾にして受け止め

　　　　　　　　・・・ガティは死んだ



回想　７年前　リトル・フェイルアム　早朝


ルダ「・・・


　　　　　　　ただ・・泣いてたんだよ・・・

　　　　ガティが・・動かないんだよ・・・

　　　　ガティが声もかけてくれないんだよ・・・



ルダ「ガティが・・・



　　　　　　私の名前を呼んでくれないんだよ



　　　　　　　　　　回想　終了



　　　　　　それを黙って聞いていたハリス


ルダ「・・・だんだん



　　　　　　　ガティの身体が・・冷たくなっていくんだ・・・

　　　　　　　さっきまで温かかった身体が


　　　　　　冷たくなっていくんだ・・・



　　　　　私は　その愛する人を　ひとりで埋葬し


　　　　　涙が枯れても泣いた・・・



ハリス「愛する者を失った者・・・」


ハリス
ルダ「・・・一緒だな



　　　　　　　　ルダが口を開く


ルダ「本当に入れ物だけで満足か？」



　　　　　　愛しい人が自分の名前を呼んでくれない

　　　　　　身体から熱を感じない

　　　　　　何を言っても　その入れ物は反応しない


　　　　　想いを・・・


ルダ「・・・自分に・・ぶつけてくれない



　　　　　　　　　それでいいのか？


ハリス「・・・いいはずがない

ルダ「言ったはずだ


　　　　　誰が忘れても　お前だけは忘れるなと


　　　　弟のことを覚えてあげられる　お前が

　　　　弟のことを忘れてしまったら



　　　　弟は本当に死んでしまう


ルダ「覚えていてくれる人が居るから
　　　人は永遠に生きられる」

ハリス「・・・わかっては・・いる」

ルダ「なら



　　　　　　　　ルダは刀を抜いた！



アキ「ルダ？」

ルダ「ぶつからないと　わからないこともある
　　　言葉は言葉だ　そこに想いがあっても



　　　　　　本当に理解できるのは　ぶつかり合うこと


ルダ「その刀を抜いてかかって来いハリス？」



　　　　　　　お前の想いを全部　聞いてやる



ハリス「・・・優しいんだな」



　　　　　　　　ハリスも刀を抜いた！



クルーゼ「ルダ！　そいつは手強いぞ！？」


ルダ「想いを受け止めるとは　こういうことだ
　　　死にはしない


　　　　　私が死んだらクルーゼ？

　　　　　お前が泣いてしまうからな


ルダ「・・・もう



　　　　　これ以上　悲しませない