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思い出の星巡り

レニィアーゼ

[レニィアーゼ]

キャラID
: ME080-280
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 130

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レニィアーゼの冒険日誌

2023-02-15 02:46:00.0 2023-02-15 03:06:52.0テーマ:その他

何も無い事が



       ラーメン屋に入る青年と少女


リリア「醤油ラーメンくだざい」

シウス「俺も同じものを」

店員「はい 食券をお求めください」

     それって なんですか?

店員「・・・」


     彼らは食券と言う仕組みを知らない

     あきれながら店員さんが説明する

     やっと注文できて待つ

リリア「・・・」

シウス「・・・」

リリア「・・・私達って

       ・・・何も・・無いよね

       子供の頃から障害者で
       学生生活も部活もできなくて
       社会生活も無かった

       学ぶことも働くことも
       許されなかった

       気づけば人生のほとんどを
       病院で過ごし
       私たちは超が付く世間知らず

リリア「ラーメンを注文することもできない」

       死ぬ前に旅行しに来た

       リリアは余命を告げられている
       生きられても1年
     
       きっと初めてで最後の旅行
       彼らにとって旅行も命がけだ

リリア「何も知らない
    ・・・このままじゃ」

        このままでいい

シウス「世の中には進化を拒む国もある
    何も知らない方が幸せだってね」

     時代が流れて世の中は変わった
     便利になって
     携帯できるパソコンっていう
     簡単に手のひらで扱える物を
     みんな当たり前のように持ってる

リリア「・・・変わっていくよね
    ・・・私たちには・・何も無い」

シウス「その 何も無いが幸せなんだよ
    その方が純粋に生きられる」

シウス「進化して世界が変わって
    悪い事をするのも進化していく
    でも 進化を知らなければ
    悪さも進化しない」

      何も知らない 真っ白が
      人を純粋にさせる

シウス「それって
    ステキな事なんだよ?
    もう いろいろ知ってる人間には
    永遠に手に入らないから」

シウス「それに
    今では食券の存在で
    減って来たかもしれないけど

     「醤油ラーメンください」と言って

     「はい 
      醤油ラーメン2つ注文入りました」

      と言う
      コミュニケーションの取り方も
      あったんだぜ

シウス「子供の頃 親に連れられて行った
    ラーメン屋の人との
    そんな かけ合いが好きだったのにな」

リリア「そうだね」

シウス「何も無ければ 何も無くていい


       何も知らなくていい

       何も無くていい

       その方が純粋に生きられる

       このままでいい


シウス「そう 考えようぜ?」

リリア「・・・」

リリア「・・・何も無いって
    ・・・しあわせなの?」

シウス「生きるのにはデメリットが多すぎる
    純粋に生きるって
    とんでもなく力が必要 でも

     そう生きられるのは
     何も無い人間にしかできないから

リリア「・・・」

シウス「悲しいのか?」

リリア「・・・そうじゃないの


       ・・・うれしいの


リリア「・・・私には何も無い
    ・・・何も無い事が

     ・・・本当に何も無いから
     ・・・何も無い事がステキなんだよって

       そう言われて うれしいの

リリア「・・・ウソでも・・うれしいの」

       肩を震わせて涙を零すリリア

シウス「俺も その答えに至った時は泣いた
    ”間違ってないんだよ?”と
    言われた気がして」

シウス「泣きたいなら泣けばいい好きなだけ
    ただ

      涙でラーメンが塩辛くなるから
      食べ終わった後 泣くのがお勧めかな

リリア「・・・」

シウス「あと 冷めちゃうしな」

リリア「・・・」

リリア「・・・でもね

       とっくに冷めてるし
       きっと 食べても塩辛い

シウス「手遅れだったか」

リリア「・・・」

リリア「・・・フフ

   
       アッハハハハハ


リリア「シウスって かっこつけてて
    おかしなこと言うよね」

シウス「だろ」

リリア「・・・」


      悲しくて いっぱい泣いた後に
      うれしくて いっぱい泣いた

      何も無いって無力さを呪っても
      君に大切な物をもらって微笑んでた
      
   
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