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思い出の星巡り

レニィアーゼ

[レニィアーゼ]

キャラID
: ME080-280
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 130

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レニィアーゼの冒険日誌

2023-02-17 02:40:56.0 2023-02-17 03:36:08.0テーマ:その他

絶望がくれたもの


       何をしているの?

フェル「何をしているか
    強いて言えば夜が来るのを待っている」

「お!詩人だね」

フェル「そして 今日が終わり
    眼を閉じると勝手に朝が来る」

「・・・」

フェル「黙るなよ 
    聞いてきたのは そっちだ」

「君 かっこいいのに暗いね」

フェル「俺って かっこいいのか?」

「・・・え」

フェル「不細工だと思って生きて来た」

「ええええええええ!!」

「何言ってるの!?
 美人に産まれれば2千万円の価値があるって!
 言うんだよ! 君は それなんだって!!」

「絶対 学校とかでモテモテだったでしょ!?」

フェル「学校?

         それって なに?

「何を言って・・・?」

フェル「子供の頃から精神障害で
    学校になんて行ける体力が無い
    みんなの憧れる部活も知らない」

フェル「働ける体力がないから
    社会にも出れない」

フェル「言っただろ?
    この家の自分の部屋で
    朝が来て夜が来るだけだ」

「・・・そんな」

フェル「美人に産まれれば2千万の価値がある?

      子供の頃から精神障害で
      何もできない俺には
      それだけで数億の損をしている

フェル「死ぬまで苦しむオプションを付ければ
    数十億の損をしてるんだろうな」

      その者はフェルの隣に座る

フェル「何をしにきた?」

「仕事 人の想いをみつめるのが仕事だから」

「うれしかったり よろこんだり
 悲しかったり 寂しかったり」

「そんな人の想いに寄り添うのが仕事だから」

フェル「”救う”ではなくて?」

「そう言ったら
 傲慢になりませんか?」

フェル「どうなんだろうね」

フェル「俺なら”絶望”って想いを
    教えてやることができるが?」

「・・・」

フェル「そんな想いに寄り添いたくないか」

「ちがうの だって 君


       絶望してないでしょ?


フェル「何を言っている?」

「君から絶望の感情を感じない」

フェル「・・・」

フェル「今でも絶望してるよ
    ただ もっと深い絶望を知っている
    それに比べたら今の絶望は
    言うほど絶望ではない」

「その深い絶望は?」

フェル「・・・

     100円のジュースを買いたくて
     悩んで悩んで決断しようとして
     もう どうしていいかわからなくて
     混乱して
     逃げ出すように その場から離れた


「・・・」

フェル「その時は国に障害者だと
    認めてもらえてなくてね
    ジュースすら買えるお金もなかった」

フェル「それに比べれば今の絶望は
    言うほど絶望ではない」

「そっか

    
     絶望が君を強くしてくれたんだね


フェル「また わけのわからないことを」

「君は強く生きられる
 深い絶望を知ったから
 その時以上の絶望に出会わなければ
 生きていける」

「でも 断言する

     その時以上の絶望なんて無い

フェル「・・・」

フェル「そんなこと言って
    俺が立ち向かって絶望したら
    どうしてくれる?」

フェル「”普通の人間なら”
    立ち直ればいいだけだ
    だが精神障碍者の俺は・・・」

フェル「立ち直れない場合
    ・・・さいあく・・死」

「戦えとも がんばれとも言わない
 それが君にプレッシャーになるくらいなら
 君は深い絶望を知っている
 それでも

     今も こうして生きている

フェル「死ぬのが怖いだけだ」

「本当に そうかな?」

フェル「・・・」

フェル「わかった その言葉
    気にはとめとくよ」

「君の
 お願いは叶えてあげられたかな?」

        その者は そこから立ち去って行く

フェル「・・・」

フェル「願い?
    そんな物 誰かに打ち明けたか?」

       フェルの願い
       誰かに自分を肯定してほしい
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