シウス「普通の人間に言え!」
看護師や医者の言葉を受け止め
自分にはムリだと感じた
「・・・」
「知らないんですかシウスさん?」
「看護師や医者にはムリですよ
普通の人間には理解できませんよ?
障害者になった
経験が無いんですから
「特に私たちのような障害者わね」
「関わった経験 データで得た知識
ここまでが限界」
「仮に障害者になってくれても
”大切な時間を奪われて
何十年も苦しまないと
本当の意味では理解できない”
・・・・・でも
そんな人間なら ここに居ますよ?
シウス「・・・」
シウスの右手を取り
リリアの身体にあてた
「貴方の目の前に居ますよ?」
シウス「・・・」
リリア「”私なら貴方がわかる”
つらかったら言ってください」
リリア「その代わり
私が つらい時は
伝えますので
貴方が私をわかってください
貴方にしか
理解できませんから
シウス「・・・」
リリア「大切な時間を奪われて
何十年も苦しんだ経験のある
障害者なんて
そんなに居ないでしょ?」
シウス「・・・」
リリア「でしょ?」
貴方なら私がわかる
そのはず
だから 聞きたくなった
きっと 貴方も感じてるはず
リリア「・・・」
リリア「貴方なら私がわかる」
リリア「だから 聞かせてください
”数え切れないほど思っては
願ったはずです”
どうすれば
”普通の人間のように生きられますか?”
シウス「・・・」
リリア「・・・
どうすれば
”普通に生きることができますか?”
リリア「・・・教えてください」
シウス「・・・」
シウス「・・・わからないよ
答えも知らない
ただ それができない理不尽に
永遠に問い続けるしかないんだ」
シウス「・・・」
シウス「・・・リリア?」
リリア「・・・大丈夫です
これは絶望じゃない」
わかってくれる相手が居るから
これは絶望にはならない
シウスを抱きしめて
小さく声をもらした
リリア「・・・私と・・同じだね」
シウス「・・・」
シウスもリリアを抱きしめ
小さく声をかけた
シウス「・・・俺と・・同じだよ」
リリア「・・・うれしい
私と 一緒の人が居る
初めて 自分をみつけた