そんな人間
居るわけないじゃん
ヴィダ「・・・
・・・居ちゃ・・悪いかよ?
回想 終了
自宅
・・・
あの時 やらかしてしまったこと
トラウマになってるな
そうだよ
”普通の考え”なら居るわけないよ
・・・でも
・・・居ちゃ・・悪いかよ
ヴィダ「・・・」
また朝 目覚めると始まるアレ
原因不明の頭の重さと神経過敏
これが和らぐまで何もできない
朝ご飯を用意することすらも
この前は和らぐまで6時間
かかったっけ
腹減ったな・・でも つらくて
何もできない・・・
耐えるしか・・・
ヴィダ「・・・」
ヴィダ「・・・
良い匂い?
「あ?起きたの??」
あぁ ヘルパーと契約したんだっけ
この悩みを言ったら
朝ご飯つくってくれるって
あれ 本当だったんだ
作ってくれた朝ご飯を食べる
ヴィダ「・・・」
「おいしい?」
ヴィダ「・・・」
ヴィダ「・・・もう
・・・我慢しなくていいの?
「え?」
ヴィダ「障害がひどくて
自分で朝ご飯すら作れなくて
腹減って我慢して耐えて・・・」
ヴィダ「・・・もう
我慢・・しなくていいの・・・?
「・・・」
「・・・うん
私が毎朝つくりに来てあげる
ヴィダ「・・・」
「ちょ!泣いてるの!?」
ヴィダ「・・・うれしくて」
「・・・そっか」
テレビを見る二人
「この主人公がイケメン過ぎて
そこで そのプレゼントを選ぶの
尊敬するわ」
ヴィダ「でも冬の日の寒い場所で
彼女を待たせるのはあり得ないけど
喫茶店とかに居させればいいのに
「そっか そういう考えもあるのか」
ヴィダ「この主人公 紳士的で
気配りできて逆ナンされるほどの
イケメンなのに
なんでこんな自分を卑下してるのか謎」
「わかるなぁ
過去に何かあったのかな?」
恋愛物のアニメで盛り上がる
ヴィダ「(・・・話も趣味も合う)」
「あ そこの本棚にあるのとって?」
ヴィダ「ヘルパーが障害者を
コキ使うなよ?」
「貴方の近くにあったから」
ヴィダ「(・・・
こんな誰かを会話したの
いつ以来だろ
ヴィダ「(・・・もう
人と関わろうとも思わなかったのに
・・・壊れすぎて
「ねえ?」
ヴィダは
どんな子供だった?
ヴィダ「・・・
(・・・やめろ)
「聞いてみたくて」
ヴィダ「・・・
「居るわけないじゃん」
ヴィダ「(・・・また言われる
・・・やめろ・・絶対に言うな)
「教えて?」
ヴィダ「・・・
・・・もう・・どうにでもなれ
ヴィダ「・・・子供の頃から
・・・障害者だったんだ
「・・・」
ヴィダ「義務教育すら通えてない
通えるような身体の状態じゃなかった
そして人と関われなかったためか
人としての普通の考え方も
人としての普通の心の感じ方も
ヴィダ「・・・できなくなってた」
気づいたら取り返しが
つかないくらい壊れて
皆ができる当たり前がの事が
できなくて
「・・・」
ヴィダ「・・・子供の時から
寝たきりみたいな生活を送ってる」
ヴィダ「(・・・なぜ言った・・また言われる
・・・そんな人間
居るわけないって