レニィアーゼの冒険日誌

　　　そんな人間　居るわけないじゃん


自宅

　　　どんな子供だった？って聞かれても
　　　わからない
　　　学校にすら行けなかったから
　　　評価してくれる人が居なかった


ヴィダ「（やめろ　また言われる）」

ヴィダ「子供の頃から　この部屋で
　　　　寝たきりになってるのが当たり前で」

　　　　　・・・また・・言われてしまう

ヴィダ「人と関われて生きられた
　　　　ことがないんだ」

「・・・」

ヴィダ「（・・・言わなきゃよかった）」

ヴィダ「・・・」

ヴィダ「・・・え」

　　　　　　ヴィダの顔を抱きしめる

ヴィダ「ミレイさん？」

「・・・

　　　　・・・つらかったね

ヴィダ「・・・」

ヴィダ「（・・・ちがう
　　　　　いつもの　あの言葉でも
　　　　　テンプレの対応でもない）」

　　　　　　涙交じりのミレイの声が
　　　　　　さらに涙交じりの声になり
　　　　　　もっと強く抱きしめる

「・・・


　　　　　・・・悲しかったね



ヴィダ「・・・」

ヴィダ「・・・どうして


　　　　　”本気で”泣いてくれてるの？


「・・・」

「・・・なんでだろうね」


回想

孤児院

　　　　大人たちも子供たちも
　　　　楽しそうにしている

　　　　そこで独りだけ泣いてる
　　　　子供以外わ

　　　　そこで泣いてるのに
　　　　誰も見向きもしない

　　　　そこで悲しんでるのに
　　　　誰も気にかけない

　　　　そこで寂しがってるのに
　　　　誰も
　　　　存在しないかのように

少女「・・・」


　　　　　　　回想　終了


「・・・」

「貴方は私と似ているのかも」

「・・・世界って

　
　　　　　・・・優しくないよね


ヴィダ「・・・そうだね」

「ごめんね　わざとなんだ
　どんな子供だったって聞いたの
　”何も無いって”わかってた」

「でも
　それを言葉にして伝えられたら

　　　　　貴方は
　　　　　つらいって悲しいって
　　　　　言う事ができるから

ヴィダ「・・・」

「・・・吐き出させて
　・・・あげたかった」

ヴィダ「・・・」

ヴィダ「・・・初めてなんだ


　　　　　　悲しいって伝えて
　　　　　　泣いて感じてくれた人


「・・・そっか」

「・・・楽になれた？」

ヴィダ「・・・


　　　　　　・・・うん・・すごくね


帰る時間

「私が居なくても泣かないように」

ヴィダ「・・・子供じゃないんだから」

「貴方は
　もっとリフレッシュした方が良いかもね

　　　　今度
　　　　街に出かけてみよっか？

ヴィダ「・・・え？」

「障害がひどくて
　倒れそうになっても支えてあげるよ？
　そのくらいの対応できるし」

ヴィダ「・・・ヘルパーって
　　　　そこまでしてくれるの？」

「プライベートで
　どこかに行こうって言ってるの」

ヴィダ「僕と居ても　つまらないよ？
　　　　人と関わって生きられなかったから
　　　　人との　付き合い方なんて知らない」

ヴィダ「楽しませてあげることも」

「じゃあ　練習ってことで」

ヴィダ「・・・うん」

「・・・フフ


　　　　　　　また　明日ね


ヴィダ「・・・うん」


　　　　　　　また　明日


　　　　　帰って行く


ヴィダ「・・・」

ヴィダ「・・・なんだろう
　　　　この感情


　　　　　・・・初めて・・感じる