シウスは
どんな子供でしたか?
病院 中庭
シウス「どんな子供だったって?」
シウス「・・・
それを必死に探す
それを必死に探す
あれ
必死に探す
シウス「・・・」
必死に探す
シウス「・・・」
・・・何も・・無い
ごめんなさい
聞いてから気づきました
シウス「・・・」
リリア「何も無いですよね
・・・ごめんなさい」
罪のあまり泣き出すリリア
シウス「・・・」
リリア「私だって・・何も無いのに・・・
こんなこと聞くなんて・・・」
シウス「・・・
黙って その泣き声と
肩を震わせてすすり泣く声を聞く
シウス「・・・」
シウス「こんなこと言って
気を悪くしたら ごめん
俺だけじゃなかったんだ
何も無い人間
リリア「・・・シウス?」
その言葉を聞き
黙ってしまう
シウス「・・・ごめん」
リリア「私も
失礼なこと言っていいですか?
私だけじゃなかったんだ
何も無い人間
シウス「リリア」
リリア「お互い
失礼なこと言い合ってますね」
自分には何も無い
言葉にするとおかしくなって
二人は笑い出した
リリア「おかしいですね」
シウス「おかしいな」
リリア「今度
二人で出掛けませんか?
何も無い人間同士」
シウス「病院は?」
リリア「そんなの
抜け出せばいいじゃないですか」
シウス「大胆だな」
リリア「こんな障害者だから
そういうの準備してなくて
着飾った服装とか期待しないでくださいね?」
シウス「それは お互い様だよ」
消灯の時間になる前に
二人は別れた
リリア「また 明日」」
シウス「あぁ また明日」
手を振って別れる
朝
病室を出て
いつもの人気のないフロアの
イスに座る
そして
いつもの不気味な言葉を使って
今日を告げてくれる人が居る
リリア「・・・
おはようございます
今日もお互い死に損ないましたね