失望しました
もう私と関わらないでください
あの時
そう言われたことを思い出す
「・・・」
このままじゃいけないよな
ヴィダの家 朝
「聞かせてもらおうか?」
明らかにミレイは怒っている
「なぜ最近
私に余所余所しくしてるのかな?」
「・・・また繰り返してしまう」
「なにを?」
「オンラインゲームでなら
少しだけ人と関わっていた」
相手も僕と同じ精神障害者で
僕に親身になってくれた
仲は良かったと思う
同じチームに居て
よく遊んでいた
だけど
その相手がチームメンバーと
僕の悪口を言ってるところを
インした瞬間に聞こえてしまって
許せなかった
だから
その痛みと同じくらいの痛みを
その人に与えてしまった
後に過ちに気付いて謝罪したのだけど
失望しました
もう私と関わらないでください
私は
貴方と同じ精神障害者ですが
貴方よりは性格が曲がってません
「・・・僕は大事な人ほど
・・・傷つけるみたいだ」
「・・・」
「君を傷つけたくない」
「その相手
本当に
精神障害者なのかな?
「・・・え?」
「障害者ってみんな違うでしょ?
重さも悲しみも苦しみも痛みも
障害者って言う括りがあるだけ
それを知っている人が
”同じ精神障害者ですよ”
「って言う?」
「・・・まさか」
「だまされたんじゃない?」
「・・・」
「それに
悪口を言わなかったら
貴方も仕返ししなかったんでしょ?
因果応報なんじゃない?」
「・・・そうなのか」
「人は純粋には生きられない
自分を守るために汚れて
疑うことで自分を守れる
でも
そうならないで
自分を守れる方法がある
純粋な人と共に生きる事
「純粋な相手と共に生きられれば
純粋なままで居られる」
「・・・」
「純粋なままで生きて居たい?
だったら
私と共に生きればいい
「・・・え」
「友達としてね」
「・・・あ」
「どういうことだと思った?」
「・・・なんか」
悩んでいたのが
バカらしくなってきた
「納得したのなのなら
せっかく作った朝ご飯
食べてもらおうかな?」
「うん
いただきます」
「まあ
とっくに冷めちゃったけどね
・・・ごめんなさい
手話サークル
知り合いのガシェに言った
ヘルパーから介護を受けてる事を
その相手がミレイだと言うことは
伏せたが
それを聞いたガシェは
首をかしげる
「ヘルパーって
そこまで面倒見てくれないぞ
毎日 朝から晩まで
世話するなんてあり得ない
本当に それは
ヘルパーなのか?」
「え?」
「その相手は
疑ってかかったほうがいい」