「世界なんて壊れている
不平等で現実的で
情けなどない
優位に生きられる者が居て
不利にしか生きられない者が居る
俺は後者
こんな身体で産まれたのが悪い
幸せに生きたかったら
恵まれるべきなんだよ」
街 メインストリート
白のワイシャツに
黒のボトムス
シワ1つ無い
清潔そのもの
どこかでプロの接客業でもしてるのかな?
身だしなみも完璧だ
どうしよう
逆ナンしてしまおうかしら
その男性は
両腕を広げ空を見つめるように
え?歌っている?
でも 曲はない アカペラ?
・・・どうしよう
ハスキーな声
心地良く耳に残るような特徴的
聞く人の心に響くような
「なんだ これは
曲?メロディーが奏でられている?
アップテンポでノリが良く
聞く者を楽しくさせるような」
「なんだ」
なによ
わかてるじゃん
「良い感じに彩れよ?」
良い声で鳴きなさい
重ねよう!
今日だって君と出逢って過ごして
別れて また出逢って
明日も今日と同じことばかり
繰り返すんだろうな
あれ?これって 私いつも君と居るね
この気持ち何て言うんだろ
わかってるよ 言葉でわね
二人だんだん見つめた空に
きらめく想いが1つ
君の歌声にメロディー重ねて奏でるの
「傍に居るよ」と伝えて
「ここに居るよ」と感じさせて
君と繋がって居たいんだ
夜空の星に願うのは
君と見つけた心
君の感情に想いを
絡めさせてザワつくの
どうしてって思わせないで
なぜって疑わせないで
君を嫌いになりたくない
突然 起こった
ゲリラライヴ
聞く者の心を魅了し
拍手が起きる
「アハハ」
フフフ
「即興で曲を奏でるとわ
俺の声に調和するように」
そっちこそ なぜアカペラ?
その声に思わず
メロディーを重ねたく
なっちゃったじゃない
「作曲できなくてね」
私は歌詞と歌は作れないんだよね
もったいないね
それだけの声を持っているのに
「そう思ってくれる?」
ねえ 私たち組みましょう?
「やめておくよ?」
え?
「明日も歌えるか
わからないし」
何を言っているの?
「普通の人間には
わからないよ」
「楽しかったよ
君とのセッション
いつまでも
覚えて居たいな」
そう言って
歌声の持ち主は去って行った
・・・私って
・・・フラれた?