朝 目覚めたら
いや 朝ではないな
一般的に人は12時を過ぎたら
それを昼と呼ぶのだろう
だから訂正しておく
昼 目が覚めたらドラクエ10を起動し
それから13時間やり続ける
今 振り返ると明らかに異常だった
僕は精神障害者だ
生きて居るだけで苦しみがつきまとう
トイレに行くことさえ苦痛で
行こうとすると身体が悲鳴をあげる
精神科の病院に通うだけでも
1日分の体力を使ったかのように
疲弊し
近くの遊び場に行くのにも
旅行したかのように
遠くに来たかのような錯覚と
労力を使い
街に買い物に出たら
必ず倒れるような
感覚さえ覚えた
そんな身体で仕事も家事も
できるはずがない
昼まで寝てしまうのは
精神障害の影響と
ヤブ医者が処方した
大量の薬と睡眠薬のためだろう
その13時間のゲーム以外は
ほとんど寝ている
食事は母親が出してくれたのは
食べて
食べたら またゲームに戻る
そんな暮らしをしている
異常な事に当時は
それを異常とは思わなかった
いや 異常とは想って居たか
世の中の障害者は
こんな暮らしを皆している物だと
思い込んでいた
よくアニメや漫画で
病気を理由に家から出ることも
許されない人物の話を目にする
僕は これに
非常に そういうの居ても
おかしくないと思う
僕が そうだからだ
ゲーム以外の趣味と言えば
描写もないキャラのセリフだけの
物語と
なんとなく浮かんでくる歌詞を
創る事
今日もドラクエの日課 週課に勤しむ
この精神障害の苦しみを
どうにかしたかった
この苦しみを ごまかすため
ゲームの楽しさで苦しみを緩和する
本当に この時の僕は
こうしなければ
精神がどうにかなって
壊れてしまっただろう
時間だけはアホなようにある
こんな生き方をしていれば
時間だけは大量にある
だからゴールドに困るような事は
よほどのことをしない限り
一切なかった
カジノ
幸運のお守りのレアドロ埋めが欲しくて
白銀コイン集めを募集していた
この時 参加してくれて出逢ったのが
チェルだった
白銀だけの一瞬のつきあいのはずが
こうも何年のつきあいになるとは
この時 思いもしなかった
この時が きっかけで軽い気持ちでフレになり
翌朝 ストーリーをやろうと言われ誘われる
その時 チェルから聞かされた話が
チェルは小学生の女の子だと言う
それを聞いて僕が何を思ったかと言うと
「そうなんだ」程度
不思議とチェルは
「嫌じゃないの?」と訪ねて来た
この当時の僕の考え方は
子供も大人も一人の人間だ
だから関係なかった
「良かった
子供って聞くと
会って来た人たち
みんな嫌な反応してたから」
どうやら僕は印象良く
思われたらしい
今 思えばおかしかった
この時 遊んでいた時間は
朝の10時
僕の場合「仕事は?」と
思われるだろうし
チェルの場合
「学校は?」と
疑われるだろう
明らかにおかしかった
僕は子供の頃から
障害者として家に寝たきりになっていて
これが”普通の生活”と思いこんでいた
今 振り返って言われると
学校の事を聞かれなかったことに
安堵してたらしい
僕の場合は仕事の事を聞かれても
「働ける身体じゃないんだ」と
答えるだけだっただろう
かたや
精神障害者で寝たきりの生活
かたや
何らかの理由で
平日の朝からゲームをしている小学生
そんな二人のドラクエライフを
描く物語