レニィアーゼの冒険日誌

　　　　越えればいいんだろ
　　　　刹那を？


森の中

ミレ「ヴァド！？」

ヴァド「越えられはしない
　　　　かわせば
　　　　俺達の大勝利だ」

クルーゼ「刹那を越える」

　　　　　　クルーゼ
　　　　　　ヴァドに向って踏み込んだ

　　　　　　０．０００１秒

ヴァド「教えろバードレ
　　　　どう動けばいい？」


　　　　　　０，０００２秒


ヴァド「早く伝えろバードレ！？」


　　　　　　０．０００３秒


ヴァド「おせえんだよ！
　　　　だからバードレは！！」

　　　　　　ヴァドに斬撃を与えた

クルーゼ「だからバードレは
　　　　　ラグガイアに勝てない」

カプス「そうだ
　　　　どう動けばいいか
　　　　伝わってしまうなら
　　　　伝わる前に倒せばいい」

ミレ「・・・刹那・・いえ
　　　刹那を越えた・・あれは」

ミレ「なんて表せばいい！」


　　　　　　閃光では　どうだ？


ミレ「・・・閃・・光」

カプス「どのラグガイアよりも
　　　　速かったなクルーゼ？」

クルーゼ「買い被り過ぎです」

ヴァド「・・・」

カプス「驚いたな」


　　　　　あの速さの斬撃を防いだか


ヴァド「２０億年の経験と勘
　　　　ラグガイアが　どこに
　　　　攻撃を与えそうか考えれば
　　　　自然と防御するべき箇所は
　　　　わかっていた」

ヴァド「閃光と言ったか？
　　　　それでも俺を倒せなかった
　　　　さて　次は　こちらから」

カプス「当初の目的は破綻している　
　　　　そちらの大勝利で
　　　　退いてくれないか？」

ヴァド「確かにラグガイアを使いこなす前の
　　　　クルーゼを倒すって目的は
　　　　もう叶わないか」

クルーゼ「（・・・ヴァドの大勝利？）」

ヴァド「クルーゼ？
　　　　もう一度言う　
　　　　俺達と共に来るか？」

ヴァド「作者の思い通りの世界で
　　　　水槽の中の魚のように
　　　　眺められていたいか？」

クルーゼ「・・・」

セネア「（・・・クルーゼ）」

ヴァド「同志になるのなら
　　　　いつでも訪ねて来てくれ」

　　　　　騎士ヴァドと
　　　　　魔女ミレは退いて行った


クルーゼ「師匠？
　　　　　俺達の大敗北なんですか？」

カプス「ゲジジェ？
　　　　お前なら
　　　　その理由わかるか？」

ゲジジェ「クルーゼの奥の手
　　　　　刹那の鼓動もア・カーゼも
　　　　　今しがた手に入れた閃光も
　　　　　手の内を見られた」

ゲジジェ「ヴァドは使う武器の得物すら
　　　　　こちらに見せてません」

クルーゼ「・・・あ」

カプス「クルーゼ　この大敗北の責任
　　　　どうとってくれる？」

クルーゼ「・・・く」

カプス「まあ収穫はあった
　　　　ラグガイアを
　　　　使いこなせるようになったしな」

カプス「（・・・しかし）」


　　　　　　クルーゼから
　　　　　　狂気に似た笑みを
　　　　　　わずかに見せている


カプス「（これを　
　　　　　どうにかするのが
　　　　　俺の仕事か）」


目的を達成したクルーゼ一行は
近くの宿で一泊し
エタシュの拠点
ヴェイア城下町に帰還することにした


深夜　宿

作者に水槽の中の魚のように
眺められて居たいか？
俺は　そんな自分を許せない
そのために
作者が隠したがっている
本物の世界を暴いてやる
それが俺達の復讐だ

同志になるのなら
いつでも訪ねて来てくれ

クルーゼ「（そんなことを言っていたな）」

クルーゼ「（ドアが開いて
　　　　　　誰かが庭に出て行く？）」


庭

クルーゼ「セネア？
　　　　　どうした　こんな時間に」

セネア「・・・」

セネア「・・・クルーゼ


　　　　　　・・・どこにも

　　　　　　・・・行かないよね？