リエ?
ここにあるギター
鳴らしてみていいか?
10年前 リエルの豪邸
楽器はなんでも良かった
そこにあったから
鳴らしてみた
リエが
精神障害者で
身体が悪くて
1日中
家で
キーボード弾くくらいしか
できないリエが
喜びそうな事と言えば
誰かが
リエの音に
彩りを
重ねてやること
ヴェルの鳴らした音を
ただ聞いているリエル
思うがままに
鳴らしおわった
ヴェル「よくわからねえな」
リエル「・・・
・・・すごい
リエル「すごいよヴェル!?
何か心が震えた!!」
ヴェル「めちゃくちゃに
鳴らしてみただけだぞ?」
リエル「そうだろうけど
ヴェルの鳴らしたギターが
”これが俺だって
叫んでいる!!”
ヴェル「何を言って?」
リエル「なんでもいいから
好きなように
鳴らしてみてよ!?
僕も
キーボードで
彩るからさ!!」
ヴェル「お・・おぅ」
言われた通り
好き勝手に
鳴らした
リエが
キーボードで
彩る
ヴェル「(・・・おい?
こんなに
めちゃくちゃに
鳴らしてるのに
まるで
あらかじめ創られた
曲になってねえか?
ヴェル「(どれだけ
合わせるのが
うまいんだよ?
いや
リエに
合わせられない
音はねえのか?)
もはや
セッションじゃねえかよ
うれしそうに
このセッションを
楽しむリエル
ヴェル「(あー どうしよう
俺って
学校に行かなきゃ
いけないんじゃ?
まあいいや
義務教育だし
留年はねえ
適当に通ってれば
卒業証書くらい
もらえるだろう
今は
リエが
笑ってくれるなら
それが良い
8時間後 夕方17時
リエル「たのしかったー」
ヴェル「・・・リエ?
お前 本当に
身体は悪いのか?」
リエル「”楽しむ事に飢えてた”
でも ごめん
ヴェルの学校」
ヴェル「リエが
楽しいのなら
そっちが良い」
リエル「・・・ヴェル」
ヴェル「俺に
ギターを
教えてくれないか?」
リエル「専門じゃないから
基礎くらいしか
教えられないけど」
ヴェル「それでいい
なんか
このギターって楽器
俺の叫びを
代弁してくれるんだよ
音になって
叫んでくれる
ヴェル「こんなにも
感情を乗せられる物が
あったんだな」
リエル「ヴェル」
ヴェル「・・・
今度からは
いつでも
俺が
リエの彩りに
つきあってやる
回想 おわり
学校 昼休み
ヴェル「そうして
俺はギターを
鳴らす事を選んだ
始まりは
リエが
笑ってくれるのなら
それが良かった
だけど
このギターと
一緒に
叫びたくなったんだ
これが
俺だって
俺の感情を
叫びにして音にしてくれる
響いてくれる
俺は
ギターの
虜になったんだ」
ヴェル
ヴェル「なあツナグ?
ベースとドラムは
もうアテがあるんだろ?」
ネアさんが
紹介してくれる
ヴェル「楽しみだな
夢だったんだよ
リエと俺が
誰かと
バンドを組む事が
いつか
バンドを組んで
メンバーと
音を彩る事がな
ヴェル「そうなったら
何も無いリエに
生きる意味が
あったんだって
・・・
ヴェル「・・・
そう
思ってくれる事が
俺の願いなんだ