ここなら
あなたの居場所に
なるんじゃないの?
シアン「・・・」
シアン「・・・俺は
・・・俺は
回想 10年前
暇つぶしに
家にあったベースを
弾いてみた
それを
聴いたオヤジが
ベースを始めた方が良いと
騒ぐものだから
特に
やりたいことが
なかった俺は
ベースを始めた
自分の音に
満足した俺は
刺激が欲しくて
近くの公園で
ベースを弾いた
その時
最初に
足を止めて
熱心に
聴いてくれたのが
ティアだった
いつしか
俺のベースを
聴いてくれる人は
20人以上
初めてだった
こんなにも誰かに
認められた事は
オーディエンスの
熱い眼差し
熱気 興奮 狂気
それらを
俺が生み出している
こんなの
音楽の虜に
ならないわけがない
ティア「ねえ?
僕も君と音を
鳴らしていい?」
特に
やりたい楽器は
無いと言うものだから
音の主役が
欲しかった俺は
ティアに
ドラムをするよう
提案した
ティアは
飲み込みが早かった
すぐに
ドラムの基礎を覚え
小学校が終わったら
狂ったように
ティアと
夜までセッションを
毎日した
これがセッションか
音を重ねることが
こんなにも
楽しいなんて
これで
こんなに楽しいのなら
本格的に
バンドを組んで
音を重ねたら
どれだけ楽しい?
いつかバンドを
それを夢見て
ティアと
音の練度を上げた
いつからだろう?
ティアのドラムでは
満足できなくなった
俺が居た
俺の求める音を
鳴らしてくれない
苛立ちを隠せない
シアン「もうやめよう」
ティア「え?」
シアン「もっと俺を満足
させられる奴らと組むわ」
そうして
私とシアンとの
セッションの日々は
終わりを告げた
満足できる
メンバーと組む
その時に
止めておくべき
だったか?
私は
最初から気づいていた
ティア「・・・
貴方を
満足させられる
バンドなんて
ありませんよ?