なんだ?
このドラム
鼓動の高鳴り
止まらない興奮
身体中に響く音
ライブハウス ワッカ
バラド・シューター
初めて
俺以外に
本物を見つけた
こいつが
トッププロバンドの
誘いを断って
己のバンドで
勝負しようと言う
前評判で
プロになる前から
成功する事が
約束されているバンド
”レア・シーン”の
リーダーか
バラド「誰を
連れて来た?」
ネア「ねえ
こいつ入れようよ」
ワトソ「そいつ
壊し屋って有名の」
シアン「・・・
・・・壊し屋か
ネア「シアンの音は
本物だって
即戦力になるよ」
シアン「バラド?
てめえ本物だな
俺も入れろよ?」
バラド「・・・」
なんだ
その困ったような
表情は
バラド「そいつが
”わかるやつ”なら
大歓迎なんだけどな」
シアン「(わかるやつ?)」
バラド「上半期1位の曲
弾けるか?」
シアン「一応」
シアン「(・・・やっと
本物と
音合わせできる!!
本物と
音を合わせた
・・・はずだったが
シアン「(・・・どういう事だ
違和感だらけだ)」
皆の音を
聴いているシアン
シアン「・・・おいバラド?
なんで
音のクオリティを
下げてるんだよ!?
バラド「・・・」
シアン「ネア!
てめえも
本気で
歌ってねえだろう!?」
ネア「あちゃ~
”わからないやつ”だったか」
バラド「壊し屋と
言われる所以だな」
シアン「何を言って?」
バラド「わからないのか?」
シアン「・・・
てめえか!
ワトソ!?
シアン「・・・てめえが
てめえだけが
本物の音を
出せねえから
皆が
音のクオリティを
下げてんだよ!!
ワトソ「・・・え」
出て行け
バラド「バンドってのわな
音だけで
する物じゃ
ねえんだよ?
バラド「それが
わからないから
壊し屋なんて
言われるんだ
帰ってくれ
控室
ネア「シアンは本物だよ
君みたいな音を
出せる人は
ほぼ居ない」
シアン「だったら
何が不満なんだ!?」
ネア「・・・
本物が
本気を出せる時は
メンバーが
本物しか
居ない時だけ
シアン「・・・」
ネア「”わかるやつ”なら
アンサンブルするために
音のクオリティを落とすの」
シアン「だったら
あと一人
見つければいいだろ!?」
ネア「見つけるのに
何年かかるの?
何十年かかるの?
君も
まったく
出逢えなかったんでしょ?」
シアン「あんな
クソみたいな
ギター首にして
全力で探せば!!」
ネア「・・・
人の心が
わからないから
シアン「・・・」
ネア「だから
どこのバンドでも
”壊し屋”って
呼ばれるんだよ?
シアン「・・・」
ネア「バンドやってる
人間わ
音だけで
してるんじゃ
ないんだよ?
帰り道
深い
悲しみを負った
そんな顔ですね?
シアン「・・・ティア?俺は
”欠けている”のか?