「まぁ好きではじめた仕事ですから」
最近は良い依頼が取れないと口をこぼした
まず、販売チャットの入念なチェックから始まる。
「やっぱり一番うれしいのは売り子さんからのありがとうね、
この仕事やっててよかったなと」
「毎日毎日相場と報酬平均が違う
機械では出来ない」
この時間は報告へ。
彼はクエストリストをチェックし、討伐隊員へと向かった
基本的な形は決まっているが、最近の隊員の依頼に合わせ
多種多様な狩りスタイルを準備しなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。
「やっぱ冬の仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」
「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」
「この依頼はダメだ。ほら、客がさばけていない」
彼の目にかかれば、見るだけで出来不出来が分かってしまう。
技術立国日本、ここにあり。
今、一番の問題は後継者不足であるという
討伐ポイントに満足できないとその日の営業をやめてしまうという
30年前は何十もの討伐職人が軒を連ねたこのエリアだが
今では職人は彼一人になってしまった
問題はチャットログを見て
相場の感触を確かめるのに、5年はかかると、匠は語る
「自分が儲かるのももちろんだけど、
他の買ってる人の人数や待ち時間も計算しないといけないね」
「もちろん買った依頼は一つ一つ私自信で試しています」
ここ数年は、安価な中国製に押されていると言う。
「いや、ボクは続けますよ。待ってる人がいますから───」
国産討伐職人の灯火は弱い。だが、まだ輝いている。
「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよ
またお願いしますって。ちょっと嬉しいですね」
「遠くからわざわざ求めてこられるお客さんが何人もいる。
体が続く限り続けようと思っとります」
「やっぱねえ、人間がやるからこその熱意ってあるんです。
BOTがいくら進化したってコレだけは真似できないんですよ。」
2013年末、接続人数増加で相場の価格が3倍にまではねあがり、
一時は店をたたむことも考えたという
「やっぱりアレですね、
たいていの若い人はすぐやめちゃうんですよ。
錬金でやったほうが儲かるとか、ドロップ狙いが美味しいからいいとか……
でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。
ほら、そこにいる○藤もそう。
そういう奴が、これからの討伐依頼界を引っ張っていくと思うんですね」
最近では海外の討伐依頼人にも注目されているという。
額に流れる汗をぬぐいながら
「本物に追いつき、追い越せですかね」
そんな夢をてらいもなく語る彼の横顔は職人のそれであった
今日も彼は、日が昇るよりも早く討伐依頼の吟味を始めた
明日も、明後日もその姿は変わらないだろう
そう、討伐依頼職人の朝は早い
※改変コピペですすいません。
この景色見たらタイトル思いついてました。