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砂漠のじごくのハサミ

ノノ

[ノノ]

キャラID
: TQ400-888
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 124

ライブカメラ画像

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ノノの冒険日誌

2014-05-08 07:05:17.0 2014-05-12 05:03:59.0テーマ:その他

ゆうはん。(仮)11 「ハイハイ、姫様。だからダメなんですってば」 「もう、この分からず屋ぁ!」 「……黙れ小娘」 「ひぃ……ッ!」

 第2章 その2

「あたしはお城の外に出たいのぉ! あんたがちょっと見逃してくれればいいのよぉ!」
「はぁ。……いいですか、姫様」
 メイドはまたもや嘆息した。
「そもそもどうやって出ていくと言うのですか? まわりは常に兵士たちが見張りをしているのですよ?」
「ふふふん、このあたしが何も考えてないとでも、思って?」
「はい、もちろん」
「即答されたしッ!」
「当たり前でしょう。これまで姫様が考えて行動したことがありますか?」
「あるよぉ! てか、目の前の本人に言うの、それぇッ?」
「……え……ある、の? ……まぢで……?」
「ちょいちょいちょいちょーい! なにドン引きしてんのーぉッ!」
 ひめ の さけび が こだま する!

 ぜいぜいはぁはぁ、全身が悲鳴を上げている姫を見て、呆れたようにメイドが言った。
「で? どうやって城から出ると? まさか壁を蹴破るとか、言わないですよね?」
「う……ッ!」
 姫はすっごい冷や汗を流し出したッ!
「図星ですね、姫様」
「だって! だって~ぇ! 前に書物で読んだんだもんっ! ――でんせつのおひめさまは、カベをけやぶって、ぼうけんにでかけました――って」
「いや無理ですから。フツーに骨折しますから」
「あたし毎日ミルク飲んでるし。だいじょうぶ、骨、丈夫」
「……黙れ、金パツ縦ロール」
「ちょええッ!? ……き、きんぱ……っ、た、たてろーるって……」
 ちなみに、金髪はともかく姫の自慢の縦ロールを毎朝きちんとセットしてくれるのはそのメイドさん本人だ!
 そして仕切り直す、メイドさん。
「いいですか? 姫様こそ、ご自分の立場をよ~~~く考えてくださいませ」
「う……っ」
「いずれアナタはこの国の女王となるお方。もしものことがあってはいけません」
「……ぶー」っと、ふてくされる姫。
「外には魔物がいっぱいです。怖いですねぇ、食べられちゃうかもしれませんねぇ?」
「あいつらそんなことしないもん。結構、面白くて良いヤツらだったもん」
「黙らっしゃい」
「はぅ……ッ!」
「よいですか、姫様」
「は、はいッ!」
「姫様は、また、捕まりたいのですか?」
「…………」
「今度、魔物たちに捕まれば、もう助かるとは限りませんよ?」
「平気だもん」
「何を根拠にしているのやら」

「勇者様がまた助けてくれるもん!」
「姫様、アナタはまだそんなことを……?」

「あたし大人しく待ってたよッ? でもちょっと帰りが遅くて心配だから、こっそり様子を見に行きたいだけなんだもん!」
「それはいけません、姫様……っ!」
 何かが途切れてしまったようだ。
「やだヤダやだヤダぁー! 勇者様に会いに行くのぉ!」
「勇者は……、もう、いません……」
「そんなことないっ!」
 ぽろぽろと涙が落ちる。大きな瞳から、感情が溢れ出てしまう。
「勇者様に会いたい! 会いたい! 会いたいよぉッ!」
「姫様、あれからどれだけ経ったと思っているのです?」 
 メイドは語り掛ける。目の前の、妹のように愛する者へ。
「城の使いの報告では、魔王と魔族たちの戦いに敗れ、その後、行方不明ということです。きっともうあの勇者の若者は……」
「そんなのウソだもん! あたしと約束したもん! 帰って来たら結婚してくれるって!」
「あーじゃーもーそりゃぜったい帰って来ないんじゃないのかなー」
「どうしてそんなこと言うのッ!? てか、いきなり棒読みだしッ!」
 おっと。涙がどっかへ行ってしまったぞ。
「姫様、お察しくださいませ」
「なにをッ!?」
「いずれアナタはこの国の女王となるお方」
「なんでまたそれッ? てか、なんで女王? ウチって代々、男王だよね? つまりあたしは一生独身だとッ!?」
「そうは言っておりません。ただ限りなく、その可能性が大きいゾ♪ と」
「ゾ♪ ……じゃないよぉ! 可愛く言っても失礼極まりないよぉ!」
「あ、私ですね、家系に少々、占い師の血筋がおりまして」
「なぜそれを今言うのっ? てか、信憑性が増したーッ!」
「まぁ、姫様。とにかく、落ち着きなさいな」
「あんたのせいだからッ!」
「いいですか、姫様。怖いのは、魔物だけじゃないのですよぉ?」 
「え……ッ?」
「姫様を狙った怖~くて、悪~い人達だって、いるかもしれませんよぉ?」
「あっははははーッ!」
「あらヤダ、なに、このコ。突然なんで笑い出したのっ?」
「そんなのいるわけないじゃん!」
「あらあらまぁまぁ、それこそ何を根拠に?」
「悪い人間なんているわけないよ~、人間はみんな優しいんだよ~」
「こ、これは……、うーん、困りましたねぇ、とんだ世間知らずの小娘だったとは……」
「また、こむすめって言ったーッ! メイドのくせにーッ!」

 つづく。
※この物語はフィクションです。
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