ぎゃるげずきの冒険日誌

チート騒動で真偽の定かでないことを真に受けて大騒ぎしている人を擁護するつもりはありませんが、そうした騒動が起きる背景について書いておきたいと思います。
それは経済格差等が与えるシナリオ進行への影響です。
ドラクエⅩのプレイヤーはＧを持っている順に次の４つに分けられます。

(1)ＲＭＴ等の不正を行っている人
(2)高額装備を作る一部の職人
(3)その他の金策を行う人
(4)普通に敵と戦うだけの人

市場価格は需要と供給のバランスで決まります。
なので、実際にプレイしている人の平均でみれば、妥当な価格に落ち着きます。
しかし、装備が高すぎると感じる人が多数発生します。
お金持ちは、高くても買うので、価格全体を高い方向に引っ張ります。
逆に、貧乏な人は、価格全体を低い方向に引っ張ります。
その結果、市場価格は、お金持ちからすれば高くはないが、貧乏な人から見れば高いという状態に落ち着きます。
そして、カッコ内数値が大きいほどプレイヤーの比率は大きく、カッコ内数値が小さいほど資金の桁が跳ね上がります。
(1)～(4)までの経済格差がとてつもなく大きいため、(4)の人にとっては超高額となっています。
また、(3)の人にとっても、やや高いという印象でしょう。

「努力して(3)や(2)になればいいじゃないか」と言う人もいるでしょう。
しかし、それは言うほど簡単ではありません。
何故なら、金策に関する知識が全くない人も少なくないからです。
確かに、プレイガイドの「強モードボスに挑戦しよう」には「『オーブ』が入っている紫色の宝箱が出現することがあります」とは書いてあります。
しかし、冒険者の広場を全く見ない人も少なくないでしょう。
また、その強モードボスがどれだけ強いのか、そして、オーブがどれだけのＧになるかは、その経験がなければ分かりません。
だから、そういうものがあると知っていても、総利益、効率、自分の力量に照らした実現可否を知らなければ、挑戦することさえ念頭にないことも珍しいことではありません。
事実、達人クエストでお題になったオーブが大きく値を下げることから、オーブ金策をしている人が多数派ではないことは明らかです。

さらに(2)になるためのハードルはかなり高いです。
今回の騒動を見る限り、提案広場に巣食っている人達ですら、高額装備で稼げているのは一握りの人でしょう。
プレイヤー全体での比率はもっと低くなると推測されます。
以上を踏まえれば、プレイヤーの殆どは(4)に属していると推定できます。

問題は、あるところ以上まで達すると(4)ではシナリオの進行に支障が出てくることです。
攻略情報を収集し、裏技を駆使し、手先が器用で、かつ、反射神経の良い人は、それでも何とかなるでしょう。
しかし、(4)の多くは攻略情報や裏技に疎く、そこにアクションが苦手なことも加われば間違いなくシナリオは途中で止まります。

商売人として成功しなければ魔王も倒しにいけない…ってＲＰＧとしてどうなのでしょうか？
魔王軍と戦う王国の勇者姫の盟友なのに、その王国は魔王と戦うために必要な装備すら提供してくれません。
組織に組み込まれて魔王討伐をしているのに、その組織からの支援がないってどういうことですか？
日本の戦国時代には雑兵が自分で装備を調達するのは当たり前だったようですが、それなりの活躍をすれば褒章で十分に装備代は賄えたはずです。
王国のための戦う主戦力なのに、内職して自費で装備を揃えなければならず、勇者姫の剣や盾まで貢がせられるって、どんな貧乏王国ですか？

アクションＲＰＧではないコマンド式のＲＰＧで手先の器用さや反射神経が求められるのもどうかと思います。

以上の通り、経済格差等が与えるシナリオ進行への影響は深刻な問題です。
ＲＰＧなのだからシナリオ進行に必要な装備は(4)でも十分に揃えることができるようにすべきでしょう。