定量的に見た国民の裕福さは一人当たりの実質GDPが示しています。
一人当たりの実質GDPを増やすには次のようなことが必要です。
1.需要の範囲内での商品の生産数の向上
(1)生産の向上
a.就労率の増加
(a)失業率の低下
(b)勤労意欲の増大
b.労働者一人当たりの生産量の向上
(a)生産効率の向上
(b)勤労意欲の増大
(2)需要の増大
a.所得の増大
b.購買意欲の増大
2.商品一つ辺りの実質付加価値の向上
まず、これらについて直接的に分析します。
・1(1)a(a)はドラクエ世界にはない。
・1(1)b(a)には限界があり、ブレイクスルーには技術革新等が不可欠。
・1(1)a(b)=1(1)b(b)には2が不可欠であり、そのためには技術革新等が不可欠。
・1(2)aには経済発展が不可欠であり、他の全項目が影響する。
・1(2)bには2と経済発展が不可欠であり、他の全項目が影響する。
現実世界には1(1)a(a)に対する対策が存在します。
これには、雇用対策や投資促進策があります。
しかし、ドラクエ世界には投資も失業も存在しないため、現実世界における対策が意味を持ちません。
生産と消費のループをしっかり回せば景気が良くなると言いますが、それは現実世界にしか当てはまらないのです。
投資も失業も存在しないドラクエ世界では、そうした行為は景気改善に全く寄与しません。
現実世界では、技術革新等は国民の努力で達成できます。
なので、現実世界では、経済発展には無限の可能性があります。
しかし、ドラクエ世界では技術革新等は仕様変更でしか実現できません。
1(1)b(a)に関する技術革新等はプレイヤーにはチートやbotによる不正でしか実現不可能です。
2の技術革新等はプレイヤーがゲーム内に持ち込むことができません。
つまり、ドラクエ世界の経済力には仕様上の上限が決められています。
このうち、戦闘関連商品に関する実質付加価値の上限は、戦闘バランスで決められています。
ドラクエでは、最近のボスを瞬殺するような戦闘関連商品は存在しません。
強い人でも苦戦するように戦闘の難易度が調整されています。
このように、戦闘関連商品に関しては故意に実質付加価値に上限が設けられることで経済発展が阻止されています。
一方で、戦闘関連以外商品については、故意による経済発展阻止はありません。
仕様によって実質付加価値の上限が決まることは同じですが、原理的には仕様を変えればいくらでも実質付加価値を増やせます。
極端なことを言えば、商品開発の自由度次第では原理的にはプレイヤーの努力で実質付加価値を際限なく増やすことも可能です。
しかし、現状では商品開発は全て仕様変更で実現しているので、プレイヤーの努力で実質付加価値が際限なく増えることはありません。
現実世界では、格差の許容と経済発展はバーター関係となっています。
なので、貧困の解消には格差を許容することが必要になります。
しかし、既に説明したとおり、ドラクエ世界には経済発展がありません。
現在発展なしに格差が拡大するということは、お金持ちはよりお金持ちに、貧乏人はより貧乏になるということです。
つまり、ドラクエ世界では、格差が拡大することによって貧困も増大することになります。
そして、効率の良い金策ができる人とそうでない人の大きな格差が存在するため、その分の貧困が発生します。
以上まとめると、戦闘関連商品については、職人にのみ生産を依存していることこそがカネトルティアの正体です。