世界観的には、プレイヤーキャラ(PC)とノンPC(NPC)とは全く対等です。
なので、世界観的には、プレイヤーもサポート仲間も戦闘の強さは等しいはずです。
しかし、システム上ではサポート仲間の方が圧倒的に弱く設定されています。
開発・運営だより13では「オンラインゲームとして破綻してしまう」ことを理由に次のように書いてあります。
>サポート仲間を連れた状態の方が、プレイヤー4人でパーティを組んでいるよりも、“あえて”やや弱くなるようにしています。
しかし、戦闘以外に他人とやることがあれば「オンラインゲームとして破綻してしまう」ことはあり得ません。
百歩譲って、「やや弱くなるように」することが必要なデフォルメであったとしましょう。
開発・運営だより13には「両者の差がありすぎるのもよくない」とも書いてあります。
しかし、実際は「やや弱く」ではなく、プレイヤーよりもサポート仲間の方が圧倒的に弱いのが実情でしょう。
その原因としては次のようなことが考えられます。
(1)行動間隔がかなり長い
ストップウォッチ等で計るまでもなく、サポート仲間は行動間隔が極端に長くなっています。
(2)基本戦術がおかしい
敵等の特殊な特性に依存しない一般的に通じる戦術の観点で見ても、ドラクエⅩのAIは最適化には程遠い状態です。
たとえば、戦線を維持することを優先するなら、一般論として優先順位は
蘇生回復役の蘇生>蘇生回復役の回復>その他の蘇生>その他の回復
とするのがベストです。
サポート仲間がアイテムを使えるならば蘇生回復役の回復とその他の蘇生は逆で良いでしょう。
しかし、ドラクエⅩのAIでは、ダメージ量にもよりますが、大凡次のように設定されています。
回復>プレイヤーの蘇生>蘇生回復役の蘇生>その他の蘇生
(3)アイテムを一切使わない
たとえば、MP切れの場合は、その回復はプレイヤーがやるしかありません。
サポート仲間より強いプレイヤーがMP回復に追われると圧倒的に不利になります。
(4)状況に応じた臨機応変な対応ができない
例えば、AIは状態異常解除を優先してキラキラポーンを後回しにします。
複数の行動不能状態異常を高確率でかけてくる敵であれば、何時まで経っても体勢を立て直せなくなります。
何故なら、状態異常を解除して回っているうちに、追加の状態異常を掛けられるからです。
この場合、人間であれば、先にキラキラポーンで追加の状態異常を防いでおいてから、状態異常を解除します。
とくに、幻惑等の行動不能に陥らないものや、戦線維持にとって重要でないキャラの状態異常解除は後回しにします。
(5)プレイヤーの行動順でしか「さくせん」を変更できない
どういうわけか、プレイヤーの行動順でしか「さくせん」を変更できません。
その原因については後日詳細を書きますが、製作者が世界観とシステムを取り違えていると考えられます。
「さくせん」を変更できずに、プレイヤーを蘇生させるように仕向けることができず、黙って全滅を見ているしかないこともあります。
では、これらをどうすべきでしょうか。
まず、(1)については廃止すべきでしょう。
どうやったって、サポート仲間の方が不利であることには変わりません。
行動間隔の変更は格差を極端に大きくするだけであり、「両者の差がありすぎる」状態を作り出すだけです。
また、(2)についても理に適った行動を取るように改めるべきです。
今の技術では、どんなに頑張ってもAIが人間並みの判断力と学習能力を備えることはありません。
アイテム(3)に関しては難しい問題です。
サポート仲間が持っているアイテムを使えるようにすると弊害があります。
提供者側のアイテムが一切減らないようにしたとしても、自分で持っていないアイテムをガンガン使えるのもおかしいでしょう。
かと言って、プレイヤーの持っているアイテムを無許可でガンガン使われても困ります。
プレイヤーの持っているアイテムの中から、サポート仲間に使用を許可したものだけを使わせるのが現実的な落とし所でしょうか。
(4)については、ある程度、「さくせん」を細かく指定するか、内容をカスタマイズできるようにするかしかないでしょう。
(5)についても、世界観に合わないし、理不尽なだけです。
プレイヤーの行動順以外でも「さくせん」を変更できるようにすべきでしょう。
以上全てを採用しても「両者の差がありすぎる」状態を改善するだけであり、「やや弱くなる」かそれ以上の格差は残ります。
【日誌】耐性の謎-世界観とシステムのミスマッチ②
http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/193798030194/view/4166848/