前回の日誌を補足します。
RPGにおいて「どうやったら倒せるかを試行錯誤」することは、システム上のルールを確認する行為です。
そして、高難易度の敵に対して「その壁を乗り越え」ることは、システムのほぼ全容を明らかにすることに他なりません。
理に適った世界観に適合したシステムであれば、システムの全容が明らかになっても何ら差し支えがありません。
しかし、そうでないならば、システムの全容を明らかにすることは見えてはいけない物=張りぼての骨組みを表沙汰にすることです。
所詮ゲームは張りぼてであって現実ではありません。
しかし、それで良いのです。
張りぼてを現実風に見せれば良いのです。
誰もが張りぼてだと気付いていたとしても、脳内補完で現実だと思い込めればそれで良いのです。
見えてはいけない物=脳内補完の邪魔になるもの=張りぼての骨組み等を巧みに隠せば良いのです。
見た目が張りぼてっぽくても構いません。
張りぼてである決定的な証拠さえ見せなければ良いのです。
言い換えれば、見えてはいけない物=張りぼての骨組み等が見えればアウトです。
その瞬間に脳内補完が破綻し、プレイヤーは現実に引き戻されます。
これに対して考えすぎと言う人もいますが、これは考えすぎどころか全く何も考えずにいても自然に発生する問題です。
直感的に不自然さを感じる構造にしておいて、気付くなと言う方が無理があります。
モロに見えている物に対して見て見ぬ振りをすることは困難です。
骨組みが少し飛び出しているとか、薄っすらと透けて見えているというレベルなら脳内補完で対処可能です。
しかし、骨組みの全容が完全にバッチリと見えているのでは、脳内補完では補完し切れません。
この問題の解決策は次のようなものがあります。
(1)見えているものを完全に無視できるほどの脳内補完力を身に付ける
(2)見えてはいけない部分が、そうだと気付かないほど鈍感になる
(3)細部まで本物っぽく作りこんで、見えてはいけない部分をなくす
(4)見えてはいけない部分に到達するほどの「試行錯誤」を不要にする
まず、(1)ができるくらいならゲームなど必要ありません。
それができるなら、ゲームなどなくても、好きなだけ空想で楽しめるはずです。
次に、(2)はどうしようもないことです。
より敏感になることは並々ならぬ努力で達成できても、より鈍感になることは努力しても困難です。
そして、他のゲームでもそうですが、ドラクエⅩでも(3)は達成できていません。
だから、天然で(2)が達成できている人以外にとっての解決策は(4)しかありません。
そのために難易度選択が必要なのです。
以下、提案広場での提案について。
>「ゲームとしてこの難易度に挑戦してほしい!」「執行錯誤による達成感を!」
>と仰られていましたが、それは楽しみ方の押し付けだと感じました。
張りぼての骨組みを確認することは「楽しみ方」ではなく苦行です。
「楽しみ方」ではなく苦行を「押し付け」られています。
>これなら、一度は強で挑戦して欲しいというりっきーさん達運営開発側の思いと、
>強を倒せないけどすぐにストーリーを楽しみたいというユーザーの思いを両立できるのではと思います。
「りっきーさん達運営開発側の思い」を両立しなければならない理由が不明です。
>各種サイトを読み漁り、貧乏なりに安い装備で耐性を揃え、フレ等の皆さんにも協力を仰ぎ、そして15分程かけてようやく「強い」で倒すことができました
>「ドラクエ10やっててよかった!!」と心から思えるほどの達成感を味わえたあの瞬間は忘れられません
>流石に3.2レベルのものをまた出せとは言えませんが、「強いボス相手でも試行錯誤してもらって、乗り越える体験を」という方針は間違ってないと思います
張りぼての骨組みを確認する作業に対して、そうとは気付かずに、それを楽しいと感じる人がいることは事実でしょう。
しかし、感想を避けるためにテーマを「おうえん」にするのは卑怯です。
「おうえん」は「提案ではない内容のテーマ」で「嬉しい出来事や楽しい出来事を、より多くの方に伝える場所」です。
仕様に対する意見等の「提案」を行う場ではありません。
【日誌】Dの独り善がりな燃料投下を見てドラクエ引退の決意は固まった
http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/193798030194/view/4181204