前回の日誌で、報酬目当てで強敵を倒しているなら、それは達成感ではなく射幸感を得ているだけだと書きました。
しかし、少数派ではあるものの、強敵を倒す過程に楽しみを見出して達成感を得ている人もいます。
「報酬なんざいらねー、強敵を倒すことに意味がある」って人が。
少数派ですけどね。
では、その人たちと同じようにすれば達成感を得られるか…と言えば、そう簡単ではありません。
その理由を一言で言うと、「神」が恣意的であることを知ってしまっているからです。
ここでいう「神」とは、グランゼニスとやらのことではなく、スクエニのことです。
グランゼニス神はスクエニのような恣意的な干渉はしてきません。
まず、前回の日誌でも書いた通り、マッチポンプな点が挙げられます。
レベル上限を解放し、新しいアクセサリー、新しい装備を用意したかと思えば、その分、敵も強くされます。
キャラクターを更に強化できると言えば聞こえは良いですが、その実態は全く逆です。
今までのキャラクター育成を無に帰して、再度、経験値を稼ぎ、ひたすらコインボス等を倒してアクセサリーを集め、金策をガンガンやって装備を揃えなければ、シナリオをクリアできません。
キャラクターを強化する権利を得たのではなく、強化しなければならない義務を課せられただけです。
OJTなら、それが正しいやり方であり、課題をクリアした後はさらに難しい課題を与え、時には過去の経験を無に帰すことも必要です。
しかし、OJTでは本人が成長しますが、ドラクエでは成長するのはゲーム内のキャラだけです。
さらに、OJTは仕事ですが、ドラクエは遊びです。
仕事には必要な苦行も、遊びには全く不要です。
また、理に叶った世界観に沿ったシステムとはなっていない点も、試行錯誤を苦行にしています。
奇妙で非体型的なルールが多いため、類推はほとんど不可能であり、総当たりを強いられます。
虱潰しに調べるだけなら機械にもできることであり、それでは知的な思考を楽しむ余地がありません。
あと、決められた答えを探すだけになっているケースが多いことも興ざめです。
行動不能の状態異常を多用してくる敵の場合、その敵に合わせた耐性を用意するという答えが決まっています。
それを調べるためだけの試行錯誤ではただの作業です。
「神」が恣意的であることの他、リアルタイム進行であることも問題です。
リアルタイム進行で、かつ、ギリギリで余裕のない戦闘を強いられては、ゆっくりと考える時間もありません。
じっくりと考えながら進めたいからこそ、コマンド式RPGをやっているのです。
ろくに考えもまとまらないうちにコマンド入力を強いられるのでは、何のためのコマンド式RPGか分かりません。
以上まとめると、少なくとも次のようにならないと、戦闘に達成感を求めようがありません。
(1)マッチポンプにはしない
(2)理に叶った世界観に沿ったシステムにする
(3)決まった答えを探すのではなく、決まっていない答えを考える余地を作る
(4)じっくり考えながらコマンドを選択できる余裕を作る
まあ、(1)(4)を満たす時点で「強」敵にはなりえないので、私と同じ考えの人は強敵で達成感を得るのは無理という結論になります。
もちろんのこと、前回も述べたように、過程の楽しさは戦闘に限定する必要はありません。
素晴らしい景色等、戦闘以外でも楽しめることが多々あるはずです。