チート事件の公式発表を見れば明らかなとおり、レベルの高い装備が高騰する原因は寡占にあります。
一部の人は、ドラクエ市場でインフレが起きていると言いますが、一部の装備が異常に高いだけでインフレなんて全く起きていません。
【公式発表】不正行為および、それを拡散する行為について (2016/10/13 更新)
http://hiroba.dqx.jp/sc/topics/detail/65cc2c8205a05d7379fa3a6386f710e1/
スレイプニールは当時の最新の両手武器でした。
チート認定された事例を除くとスレイプニールの生産にチャレンジしたのは僅か30キャラ弱です。
★3生産数の半数は僅か5~6キャラが供給していました。
ドラクエⅩのユーザー数は公表されていませんが、同時接続数は十数万と公表されたことがあります。
最近は過疎化が進んでいるとはいえ、少なくとも万単位のキャラが利用されているでしょう。
全キャラの0.3%にも満たないキャラが高LV装備を供給し、約半数が0.06%にも満たないキャラで供給されているのです。
この手の寡占市場では売り手の意向が価格に強く反映されるので、価格が吊り上がるのも当然です。
では、何故、寡占化するのでしょうか。
それは、一部の人しかチャレンジできないような敷居の高さにあります。
チート認定された事例を除くとスレイプニールの★3成功率は平均で約5割でした。
一方で、同じ時期の武器鍛冶全体では、★3成功率は平均で12~13%くらいです。
難易度が高い方が圧倒的に成功率が高いという逆転現象が起きています。
これは、難易度の低い低レベル装備のみ生産する圧倒的多数の職人と、難易度の高い高レベル装備を生産する少数の職人に二極化しているからです。
最新装備より一つ前の装備が高いことも二極化が原因でしょう。
需要は最新装備の方が大きいはずなので、高レベル装備を生産する職人は一斉に最新装備に移行します。
結果、世代をさかのぼる毎に出品数が減り、旧世代の装備の価格が上がります。
そう聞くと「いやいや、一世代前の装備の方が高いなら、そっちを作った方が儲かるじゃないか」と思う人もいるでしょう。
しかし、その価格の高さは供給の激減によって成り立っています。
高レベル装備を生産する職人が一世代前の装備の生産に励めば、需要が少ないところに供給が増えるので価格が大きく下がります。
また、その供給減で高くなっている価格は出品価格であって、取引が成立している価格=市場価格とは限りません。
つまり、その価格で売れることが保証されているわけではないのです。
だから、一世代前の装備の生産しても儲かるとは限りません。
さらに、一世代前の装備の価格が下がると「我慢してそっちを買おう」という人も増えてしまって、最新装備の需要が減ります。
そうした潰し合いを避けるために、高レベル装備を生産する職人は一斉に最新装備に移行するのでしょう。
では、何故、高レベル装備の敷居が高いのでしょうか。
それは、★3成功率が一定以上ないと利益が得られないからです。
高レベル装備の★なし装備と★3装備の価格差を比較してみてください。
★3と比べれば★なしは二束三文です。
高レベル装備は素材価格も高いので、★3を高い確率で作れない非熟練者は元を取れません。
だから、非熟練者は高レベル装備に手を出せないのです。
この敷居を高さを解消するには、★なしと★3の価格差を減らす必要があります。
錬金石で錬金失敗を取り戻せるように、装備本体の失敗を取り戻す仕組みが必要です。
一方で、★なしと★3の差を完全にはなくしてしまうと頑張って★3を作る意味がなくなります。
だから、★なしと★3の差を圧縮しつつも、差がある程度残るような制限も必要でしょう。
・★の数を増やした分だけ錬金効果の上限が下がる
・錬金石の限界はさらに1段階下がる
・既についている錬金効果は★の数を増やすときに上限を超えると自動的に下がる
ひとつだけ課題が残ります。
錬金石には、既に装備したものに限定される制限がありました。
装備本体の失敗を取り戻す仕組みにその制限を導入すると、自分で錬金するか錬金依頼機能を使う必要があります。
それも非熟練者には敷居が高くなります。
それでは本来の目的を果たせません。