Microsoft Excelの統計関数を利用して割と厳密に計算します。
当選確率がpのくじをN回引いて何回当たるかは二項分布となり、平均値はN×p、標準偏差は√{N×p×(1−p)}となります。
二項分布はNが十分に大きい時は正規分布で近似できます。
norm.inv関数を用いると平均値、標準偏差から正規分布の特定の累積確率点における当選回数値を求めることができます。
実際には、ある等に当選すると他の等に重複して当選することはないため、各等の当否は完全に独立した事象ではありません。
しかし、4等以上の当選確率が低いため、独立事象として扱っても大きな誤差はないと考えられます。
そこで、計算を簡単にするため、各等の当否が完全に独立しているものとして計算します。
不幸な順に並べて全体比Xの人の当選回数期待値は、累積確率Xにおける当選回数値となり、先程のnorm.inv関数で計算できます。
これを各等毎に求め、それぞれに1回分のメダル獲得枚数を掛けたものを合計すれば、全体比順Xで不幸な人のメダル獲得数期待値が求まります。
ただし、特等については、近似計算がマイナス値になることが多い(理論最小値<0www)ので、計算から除外します。
1等についても、近似計算値がマイナスになる場合は計算から除外します。
(1−X)の人は、この全体比順Xで不幸な人のメダル獲得数期待値以上のメダルを獲得できると予測できます。
そこで、様々なXにおいてメダル獲得数が1000以上になるN値を試行錯誤で求めます。
そうすると、(1−X)以上の確率でマイタウンの権利を得るために何回くじを引けば良いか計算できます。
9回に1回チャンスモードになると仮定した平均確率で計算すると次の通りとなります。
50%:7046回
90%:8247回
99%:9370回
99.9%:10280回
99.99%:11088回
99.999%:11835回
99.9999%:12387回
計算によると、100万人に1人の超不幸な人でも12387回(ジェム代149241円)でマイタウンの権利が得られます。
ただし、この計算は実際に必要な回数よりも多くなっています。
というのも、この計算では1等〜4等の全てにおいて全体比順Xで不幸な結果が出ることを前提にしているからです。
しかし、そこまで不幸が重なる確率(以下、「不幸重複確率」)はXよりかなり低いはずです。
1等〜4等の各メダル獲得合計が全て等しいと仮定すると、不幸重複確率はX^4と計算でき、これが理論上の不幸重複確率の下限値となります。
実際には、4等のメダル獲得合計が最も大きくなります。
ここで、絶対にあり得ないことですが、他の等のメダル獲得合計も全て4等と等しいと仮定すると、等の種類数は1000を4等のメダル獲得合計で割った値となります。
この架空の等の種類数(現実の種類数は当然4)からも同様に不幸重複確率が計算でき、これが不幸重複確率の上限値となります。
計算すると、X=0.01における不幸重複確率は0.000001%〜約0.0022%なので、現実的には1万回(約12万円)以下でマイタウン確定と見做して良いのではないかと思います。
理論計算で正確に計算すると膨大な計算量になるので、後日、シミュレーションでメダル獲得数の確率分布を求めて、norm.dist関数で不幸重複確率を逆算するつもりです。
特等を除けば、試行1万回×1万通り程度で十分な精度が出るでしょう。
8〜9万円と計算した人がいるようですが、それは結果的には当たらずとも遠からずでした。
「99.9%以上の確率では5万回弱(60万円弱)」と言っている人もいますが、その計算には試行回数と確率的バラツキの関係が全く考慮されていません。
当選数の標準偏差は√Nに比例するけれども、試行数当たりの当選数すなわち当選率の標準偏差は√N÷Nに比例、即ち、√Nに反比例するので、Nが大きいほど確率的バラツキが小さくなります。
試行回数が増えるほどバラツキが小さくなるのは確率現象の基本的性質です。
それを分かっていないのでは、確率について正しいことを言えるわけがないでしょう。
デタラメを言うなと言ってる本人がデタラメを言っているのでは笑い話にもなりません。