先日はMicrosoft Excelの正規分布関数で近似計算しましたが、今回は二項分布関数でより正確な計算をします。
当選確率がpのくじをN回引いて何回当たるかは二項分布となります。
binom.inv関数を用いるとNとpから二項分布の累積確率点における当選回数値を求めることができます。
以下の説明は以前の日誌と同様なので省略します。
尚、以前の日誌とは違い、正規分布による近似計算ではないため、特等〜4等全てを計算に入れることができます。
ただし、全ての計算において特等の当選回数期待値は0となっています。
9回に1回チャンスモードになると仮定した平均確率で計算すると次の通りとなります。
7133回で50%確定
8186回で90%確定
9184回で99%確定
10032回で99.9%確定
10677回で99.99%確定
11244回で99.999%確定
11700回で99.9999%確定
ただし、この計算は実際に必要な回数よりも多くなっています。
その理由は以前の日誌と同様なので省略します。
ここで、確率分布の合成が次の性質を持つことを利用します。
・合成後の平均値は合成元の平均値の和になる
・合成後の分散(標準偏差の2乗)は合成前の分散の和になる
・正規分布の合成は正規分布になる
(参考)http://kj02db.kanazawa-gu.ac.jp/fujimoto/keto/kslds14_2.pdf
先日の日誌で、二項分布が正規分布で近似できることを説明しました。
また、二項分布における平均値と標準偏差の計算方法は先日説明しました。
ただし、今回は、平均値と標準偏差のそれぞれに各等の一回分のメダル当選数を掛ける必要があります。
そうして求めた各等の平均値と標準偏差から合成後の平均値と標準偏差を求めます。
合成後の平均値と標準偏差を元にnorm.inv関数にて任意のNからメダル総計が1000個以下になる確率Xを求める計算シートを作ります。
そこから手作業で任意のXから必要なNを求めます。
この場合、(1−X)が確定確率となります。
ただし、特等については、1万回の試行を正規分布で近似しようとすると、当選数がマイナスの方にも分布が広がってしまうので、正しく計算できません。
(特等を入れると逆にNが増えるw)
まあ、1万回以下の試行では特等はまず当たらないので除外しても差し支えないでしょう。
例の赤い人も「当たらなければどうということはない」と言っていますしw
計算結果は次の通りとなります。
7669回で90%確定
8218回で99%確定
8642回で99.9%確定
9008回で99.99%確定
9336回で99.999%確定
9640回で99.9999%確定
1万回試行時を計算すると、平均=1419.42、標準偏差=78.90となり、先日の日誌のシミュレーション結果と誤差の範囲で一致します。
なので、計算に間違いはないと思われます。
結果として、現実的には約9千回(約11万円)でマイタウン99.99%確定となります。
100万人に1人の超不幸な人でも9640回でマイタウン確定です。
今回の計算でも次の誤差が含まれています。
・特等〜4等が完全に独立していないことによる誤差
・二項分布を正規分布で近似したことによる誤差
先日の日誌のシミュレーションには、これらの誤差がない代わりに、シミュレーションが有限であることによるランダム誤差が生じます。
尚、これ以上の正確な計算は膨大な計算が必要となるので極めて困難です。