うなのアストルティア日記16話(チーム離脱)
団長の他力本願主義に打ちのめされたボクはもうここでやっていくのは無理だと判断し、除隊を決意する。でもこのまま黙って抜けるのもアレなんで、せめてゆいりんだけでもお別れを言いたかった。しばらくそのへんでぶらぶらしながら彼女がINするのを待った。
グレン城下町の夕日が傾き始めた頃、彼女はやってきた、数少ない他のメンバーもまた。フレンドには入ってなかったのでチームチャットでその旨を伝えたところ、さすがに驚いたのか「ちょっと待ってて。」と見送りに来てくれた。グレン宿屋前の小さな広場でチームの何人かが初めて集結した、今までチャットの向こう側でしか知らなかった人達、この時初めてボクらは出会った。もっと早くにこうしていれば何かが変わっただろうか?いや、おそらく最終的に結果は変わらなかっただろう、ボクが次にチームチャットをするのはここではないどこかだ。
ゆいりんは「あの団長子供だから・・・」と諭してはくれたけれど、ボクは「でもちゃんとやってる子はちゃんとしてるよ・・・」扱いのひどさにちょっと凹んでいたのかもしれない。
ゆいりんはしばらく考えて、「そうだね、やっぱり楽しいチームがいいよね!」と見送ってくれた。ボクは彼女に「これからもずっとここにいるの?」と聞いてみた。しばらくして彼女が「今チームに残ってる人とフレ登録したら考えるよ」。
「そっか、今までありがとう、またいつかどこかで!」
すっかり日も暮れたグレンでみんなに見送られながら、フェンサーマントを夜風にたなびかせボクはチームを後にした。(続く)